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2013年9月16日(月)

きょうの潮流

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 女優の藤原紀香さんが、自身のブログで秘密保護法案をとりあげています。法案の中身にふれ、「国民の一人としていかがなものか」と心配しながら▼「放射能汚染、被爆などのことや、他に、もし国に都合よく隠したい問題があって、それが適用されれば、私たちは知るすべもなく、しかも真実をネットなどに書いた人は罰せられてしまう…なんて恐ろしいことになる可能性も考えられるというので、とても不安です」▼いま藤原さんと同じ思いを抱いている人は多い。日本には苦い教訓があります。戦前、天皇制政府と軍部は「軍機保護法」や「治安維持法」によって国民の目と耳をふさぎ、スパイや罪人をでっち上げ、侵略戦争に突き進んでいきました▼太平洋戦争が開戦した1941年12月8日朝、札幌で北大生の宮沢弘幸が特高に逮捕されました。容疑は「スパイ」。北大で英語を教えていた米国人夫妻に旅行先の見聞を語ったことが罪に問われ、懲役15年の刑を受けたのです▼終戦後に釈放されますが、極寒の網走刑務所で拷問されて衰弱。肺結核を患い、27歳で亡くなりました。本人だけでなく、一家も「スパイの家族」のレッテルに長く苦しみ、真相をひろめ、名誉を回復するたたかいは現在もつづいています▼安倍政権は、この秋の臨時国会で秘密保護法案の提出を強行しようとしています。ときの権力による情報隠しに事実の操作、そして真実をもとめる者の処罰。あの暗い時代に後戻りさせないためにも、声をあげるときです。


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