2013年9月14日(土)
非常事態令2カ月延長
暫定大統領 治安状況を理由に
エジプト
【カイロ=小泉大介】エジプトのマンスール暫定大統領は12日、治安当局がモルシ前大統領の復職を求めるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の座り込みを強制排除した8月14日に発した非常事態令を2カ月間延長すると発表しました。同国の治安状況が改善していないことが理由とされます。
非常事態令の期間は当初、1カ月とされていました。しかし、現在もエジプトでは北東部シナイ半島でイスラム武装勢力による治安部隊への攻撃がつづき、首都カイロでも今月5日にイブラヒム内相の乗った車列を狙った自動車爆弾攻撃が発生するなどしていました。
ベブラウィ首相は11日付の地元紙とのインタビューで、非常事態令延長は「緊張状態の高まり」への対応だと指摘。同時に、これは「例外的措置」であり早期に解除されなければならないと表明しました。
非常事態令は令状なしの市民拘束を可能にするもので、2011年の「革命」で倒れたムバラク独裁体制の“支柱”の役割を果たしました。今回の決定に「革命」派組織からはさまざまな反応が出ています。
エルバラダイ前国際原子力機関事務局長率いる「立憲党」幹部が「非常事態令延長は時代を逆戻りさせるもの」で受け入れられないとする一方、国民進歩統一党(タガンム)などからは「国家を標的にした(過激派の)挑戦が原因」であり妥当だとする声も上がっています。