2013年9月14日(土)
廃棄手順の合意探る
シリア化学兵器 米ロ外相が会談
【パリ=浅田信幸】シリアの化学兵器を国際管理下に置く提案について、ケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外相の会議が12日、スイスのジュネーブで始まりました。会議は13日も続けられ、シリアが保有する化学兵器を最終的に解体・廃棄するまでの手順について合意を探ります。
会議に先立つ共同記者会見で、ケリー長官は「提案をテストするためにジュネーブに来た」「言葉だけでは満足しない。それが実現可能かどうかを見る」と発言。ラブロフ外相は、この問題の解決は「シリアに対する爆撃を不要にする」「情勢の発展はジュネーブ2(第2回シリア国際会議)の開催に新たなチャンスをもたらすだろう」と述べました。
シリアの化学兵器問題の解決には、(1)シリアの化学兵器禁止機関への加盟(禁止条約の批准と同じ法的効果を持つ)(2)製造・貯蔵施設の公表(3)査察官の立ち入り(4)国外への搬出(5)最終的な解体・廃棄―などの手順が必要だと考えられています。シリアのアサド大統領は12日、ロシア国営テレビのインタビューで化学兵器禁止条約への参加要請を国連に送ると表明。しばらくたって国連側もこれを受け取ったことを明らかにしました。
同時にアサド氏は、ロシア提案の実行については、米国による対シリア軍事脅迫政策の中止を要求しました。
攻撃態勢を整えた米仏では軍事脅迫こそがアサド政権を動かせるとの発想があり、この要求を受け入れる可能性は極めて低いとみられています。また貯蔵施設の場所を明らかにする件でアサド氏は30日以内とすることを要求していますが、米国はこれを拒否し、15日以内を主張していると伝えられます。