2013年9月12日(木)
外交的解決を模索
米大統領 シリアへの攻撃態勢は維持
【ワシントン=島田峰隆】オバマ米大統領は10日夜、国民向けに演説し、シリアでの化学兵器使用問題に対し、シリア・アサド政権への軍事攻撃の構えを維持しながらも、外交的解決の模索を優先して軍事攻撃の判断を当面先送りにする姿勢を明確にしました。
オバマ氏はシリアの化学兵器を国際管理下に置くとするロシアの提案を評価し、「われわれが外交的方策を追求している間は、武力行使を承認する決議案の採択を延期するよう議会指導部に求めた」と明らかにしました。
オバマ氏は、ロシア提案について英仏首脳と電話会談したことを報告し、「中国、ロシアと協議しながら、アサド政権が国際的な管理のもとで化学兵器を放棄し最終的に廃棄するよう求める国連安保理決議を提案する」と述べました。
一方でオバマ氏は化学兵器使用の責任はアサド政権にあると改めて強調。「外交が失敗した場合に対応できる態勢を維持する」とし、軍事攻撃の構えを変えていないことも強調しました。
安保理常任理事国のフランスは10日、シリアのアサド政権に化学兵器の国際管理を義務付けることなどを盛り込んだ決議素案を理事国に提示。非公式協議を始めました。