2013年9月10日(火)
4〜6月期 GDP年3.8%増も
個人消費は下方修正
背景に長期の賃金低下
内閣府は9日、4〜6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値を発表し、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・9%増、年率換算で3・8%増と、速報値(前期比0・6%増、年率2・6%増)から大幅に上方修正しました。一方、GDP全体の6割を占める個人消費は、速報値の0・8%増から0・7%増へ下方修正されました。個人消費が低迷している背景には、長期にわたる賃金の落ち込みがあります。住宅投資も0・3%減とマイナス幅が0・1ポイント拡大しました。
今回の上方修正は、法人企業統計など新たに公表された経済指標を基に推計し直した結果です。速報値で0・1%減だった設備投資が1・3%増とプラスに転じたことが全体を押し上げました。
安倍晋三内閣は、GDPなどの経済指標を見て、来年4月からの消費税増税を判断するとしています。しかし、個人消費が停滞している中で所得を奪う消費税増税を強行すれば、日本経済を破壊します。
増税なら暮らし厳しく
暮らしと経済研究室主宰 山家悠紀夫(やんべゆきお)さん
国内総生産(GDP)改定値は、速報値に比べ、数字が若干上方修正されました。しかし、そもそも4〜6月期の成長率がプラスになったことについては、公共事業の増加など一時的な要因がかなり大きく作用しています。個人消費が増えたのも株価が上がってもうけたお金持ちが高額な買い物をしたことなどによるものです。
重要なことは、こうした一時的な要因による「成長」が、今後も続く保証はないということです。株価も頭打ちになっています。来年は、今年とは逆の展開になることも考えられます。
なにより、暮らしの足もとは良くなっていません。国民の給料は増えていませんし、これで消費税率が上がったら、暮らしはますます厳しくなるばかりです。消費税増税はするべきではありません。