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2013年9月7日(土)

オスプレイ訓練

事故相次ぐなか全国に拡散

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 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の垂直離着陸機MV22オスプレイが24機態勢に拡大するとともに、同機の配備は、いよいよ日本全国の問題になりつつあります。

沖縄では増強

 「沖縄の負担軽減のために、本土での訓練移転を検討していきたい」。小野寺五典防衛相は6日の記者会見でこう述べ、10月の滋賀、高知両県での日米共同演習を契機に、オスプレイ訓練をさらに全国へ拡散する意向を示しました。

 共同演習に加え、現在は四国に集中している低空飛行訓練や夜間飛行も全国のルート(地図)で強行される危険があります。

 「沖縄の負担軽減」を口実としていますが、日本政府は一方で、東村高江に新たなヘリ着陸帯を建設するなど、逆に沖縄でのオスプレイ訓練場を増強しようとしています。

 本土での訓練拡大は、沖縄ではできない自衛隊との共同演習や、アフガニスタンなどの山岳地帯を想定した訓練機会を与えるなど、海兵隊の“殴りこみ”能力強化に手を貸すだけです。

 「本市でのオスプレイ使用が沖縄の負担軽減につながる客観的根拠を示してほしい」。日米共同演習が行われる饗庭野(あいばの)演習場を抱える滋賀県高島市の福井正明市長が6日、説明に訪れた防衛省職員に疑問を呈したのも当然です。

騒音や排ガス

 高島市や、10月下旬に南海トラフ地震を想定した訓練が行われる高知県からは、「安全性」に関する疑問が相次ぎました。

 8月26日に米ネバダ州で発生したオスプレイ着陸失敗事故は、後になって機体が炎上し、修復不可能な事故だったことが明らかになりました。これ以外にも重大事故が相次いでおり(表)、昨年以降、3件(MV22)が最も重大な「クラスA」に分類されています。多くの自治体・住民が不安を覚えるのは当然です。

 事故だけではありません。オスプレイが発する低周波音が基準値を超えることを沖縄防衛局は認めており、琉球大の渡嘉敷健准教授の測定でも、離着陸時の深刻な低周波騒音が確認されています。

 また、オスプレイは離着陸時に激しい吹き降ろし(ダウンウオッシュ)を発生させ、周囲の人間を吹き飛ばす事故を起こしています。離着陸時に排出する高温の排ガスにより火災を起こす危険も指摘されています。人口密度が高く、森林面積も広い日本での救援活動に、そもそも適しているのか、検証する必要もあります。(竹下岳)


オスプレイ 最近の主な事故

【2012年】

4月11日 アフリカ北部モロッコで訓練中に墜落。2人死亡、2人重傷

6月13日 米南部フロリダ州で空軍仕様機が墜落。5人重傷

9月6日 米南部ノースカロライナ州の市街地で緊急着陸

【2013年】

6月21日 米南部ノースカロライナ州で着陸中に機体炎上

8月26日 米西部ネバダ州で「ハードランディング」、機体炎上

地図

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