2013年9月6日(金)
ルネサス 退職強要“面談”を中止
労組と共産党の運動が力発揮
三千数百人を目標にリストラをすすめる半導体大手・ルネサスエレクトロニクスで、全国の事業所で退職強要の“面談”がストップしています。リストラに反対する電機・情報ユニオンと全労連、日本共産党の運動とが響きあって、大きな力を発揮しています。
ルネサスは課長職1298人(電機・情報ユニオン調べ)を総合職に降格し、8〜10回もの“面談”を繰り返しました。“面談”では、リストラの目標に達しなかった場合、「事業上解雇」(事実上の指名解雇)をすると脅して、早期退職に応募するよう強要していました(本紙報道8月24日付)。
ルネサスのリストラに対し、電機・情報ユニオンは、退職強要をやめさせるよう神奈川労働局に申告。各地の事業所で全労連と共同して門前宣伝を実施してきました。山形県や山梨県、滋賀県などでは日本共産党がリストラ反対の門前宣伝や知事への要請行動を展開しました。
電機・情報ユニオンによると、課長職から降格されて、退職を繰り返し求められた男性社員に対し、ルネサスは、退職強要については今後注意するとともに、仕事を奪ったことを見直すなど、改善を約束しています。
一方で、「事業上解雇の回避努力」として9月11〜18日で追加の早期退職を募集するとし、面接は1回としています。
ルネサスは、この追加募集でも目標に達しなかった場合、「事業上解雇」を実施する姿勢を崩してはいません。
ルネサスは“面談”で、リストラしなければ、産業革新機構からの融資1500億円は受けられないと社員を脅し、早期退職への応募を強要しました。
このやり口は、日本航空による165人の解雇と共通しています。管財人となった企業再生支援機構がスト権を確立した場合、3500億円を日航に出資しないと脅して介入しました。
産業革新機構、企業再生支援機構は、いずれも政府が出資する官民ファンド。官民ファンドの動きは、解雇自由社会をつくろうとする安倍内閣と連動するものです。
日本共産党の山下芳生書記局長代行・参院議員と田村智子参院議員は3日、産業革新機構にルネサスの違法な退職強要をやめさせること、工場を閉鎖して地域経済を疲弊させることがないようにすることを強く要請しています。