2013年9月5日(木)
福島第1 毎時2200ミリシーベルト検出
汚染水 流出先も不明
タンク異常次つぎ ずさん東電
東京電力は4日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタンクで高い放射線量が測定されている問題で、「H3エリア」にあるタンク北側で1時間当たり2200ミリシーベルトを検出したと発表しました。漏えい発覚以来、汚染水タンクのあちこちで次つぎと異常が見つかっていることは、これまでの東電の管理体制のずさんさを浮き彫りにしています。
当該のタンクでは1日、同1700ミリシーベルトが検出されていましたが、3日に周辺の線量を測り直したところ、同2200ミリシーベルトという過去最大の値が検出されました。
8月19日に「H4」エリアにあるタンクから300トンの汚染水の流出が発覚して以後、東電はタンクのパトロール態勢を強化。その結果、漏えいタンクと合わせて7基のタンクで高い放射線量が測定されています。「H5エリア」のタンクでは、新たに漏えいが1カ所見つかりました。
漏えいしたとみられる大量の放射能汚染水が、どこへ流出したのかは依然わかっていません。タンク群のそばを通る排水溝から外洋へ直接流出した可能性や、地面に染み込んだ汚染水が地下水を汚染した可能性が考えられていますが、東電はまったく把握できていません。
外洋への流出の可能性をめぐっては、汚染水が排水溝に流れ込んだ形跡が見つかっています。タンクのそばを通るB排水溝の水を採取して分析した結果、タンクの上流側に比べて下流側で、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質(全ベータ)が高濃度で検出されており、外洋へ流れ込んだ可能性が指摘されています。
一方、地下水の汚染については、タンク群の下流側にある地下水井戸の水のトリチウム濃度が、今年2、3月に分析した値に比べると、2倍から10倍以上に高くなっており、これが汚染水の地下水への混入を示している可能性も否定できません。
このほか、タンク群の上流側でも高い汚染が確認されています。2日に、B排水溝のタンクより上流側の、タンク群とは距離のある地点で、1リットル当たり380ベクレルの全ベータが検出されました。翌3日には同67ベクレルに下がっていましたが、なぜ上昇したのかについて東電は、「さらにデータを集めた上で評価したい」と話しています。
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