2013年9月5日(木)
非常事態令解除 期限通り
エジプト暫定大統領表明
【カイロ=小泉大介】エジプトのマンスール暫定大統領は3日夜放映された国営テレビとのインタビューで、8月14日に発した非常事態令について、治安改善の継続という条件を付けながらも、期限である今月中旬には解除されるべきだと表明しました。
非常事態令は、軍に解任されたモルシ前大統領の復職を求めるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の座り込みを治安部隊が強制排除した際に出されたもの。期間は1カ月とされましたが、同令はムバラク独裁体制時代に人民抑圧の“支柱”の役割を果たしていたものであり、国民からは批判も出ていました。マンスール暫定大統領はインタビューで「時計の針を逆戻りさせることは誰もできない」と述べました。
暫定大統領は、憲法改正や人民議会(国会)選挙、大統領選挙の実施という年末から来年にかけての民主化の「行程表」についても、「変更することはない」と順守する姿勢を示しました。
一方、3日はモルシ大統領解任から2カ月となり、ムスリム同胞団は各地で解任は「クーデター」だと抗議するデモを行いました。指導部は100万人参加を呼びかけていましたが、地元メディアによると実際の参加者は「数千人」にとどまったもようです。