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2013年8月30日(金)

福島・いわき市災害公営住宅

家賃を3年間半額に

被災者の署名運動実る

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 福島県いわき市は東日本大震災の津波などで被災した市民向け災害公営住宅の家賃を3年間半額にする措置を決めました。家賃引き下げを願い署名運動に取り組んだ被災者から「くらし再建の確かなステップアップになる」と喜びの声があがっています。同震災で被災した東北3県(岩手、宮城、福島)で3年間の家賃半額は同市が初めてです。


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(写真)災害公営住宅家賃の減額要請署名を渡辺敬夫市長(左)に提出、懇談する「災害公営住宅を考える会」関係者=23日、いわき市役所

 災害公営住宅は東日本大震災の津波などで住宅を失い、個人では再建が困難な被災者を対象に整備します。

 いわき市は災害公営住宅1500戸の整備を計画。しかし月平均4万2000円の家賃計画に対し、被災者からは「とても払いきれない」と減免を求める声が強くありました。

 子育て中の40代の女性は「津波で流された家のローンがある。共働きだが2人の子どもの教育費が大変。そのうえに月5万円の家賃ではまるで三重ローンだ」と訴えました。

 こうした被災者を中心に「災害公営住宅を考える会」を結成。同会の大谷慶一代表(65)は美空ひばりさんの歌曲にもある塩屋崎灯台に近い薄磯地区に生まれ、育ちました。同地区は津波で250世帯中、240世帯の家が流失、住民730人中、160人が死亡、9人が行方不明です。

 「私も津波で自宅を壊された。雇用促進住宅で仮住まいですが、生まれ育った土地に家を再建したい。そして地区の産業、観光など町のにぎわいをとりもどしたい」と家賃減免に期待を込めました。

 「考える会」はこうした願いを署名に託し、取り組みました。

 家賃引き下げは困難とする市側にたいし、日本共産党の渡辺博之市議は議会で、津波で家や家財を失うなどの被害を受けた被災者には生活再建のための特別な支援策が必要と指摘。そのうえで建設費や諸経費の支出と家賃収入の見込み額を明らかにするよう要求。市が試算した結果、建設費などよりも家賃収入が上回ることが判明。渡辺市議は「建設費を精査すれば、家賃を半額にしても市財源の確保は可能」と引き下げを強く迫っていました。

 「災害公営住宅を考える会」の署名は短期間で4000人を超え、23日に市への提出を準備していました。

 これに対し渡辺敬夫市長は22日、家賃の50%減額(3年間)、4年目、5年目は25%を減額すると発表しました。

 東北3県で災害公営住宅の家賃減免では、岩手県の岩泉町が家賃の50%減額、敷金免除を決めていますが今年のみの措置で、田野畑村も3割減額(3年間)です。

 渡辺市議は「大谷代表の『市民の活動が実を結んだ』という言葉通り署名活動が市を動かした。被災者に加え、消防団や婦人会、商店主など幅広い人が協力してくれた。この市民と共産党の共同が高い水準の減免措置を可能にした」と話します。 (山本眞直)


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