2013年8月30日(金)
国連総長 「国連憲章守ろう」
シリア問題 米英仏の軍事攻撃けん制
エール大教授らも
【ワシントン=島田峰隆】米英仏が国連安保理決議なしでもシリアを軍事攻撃する姿勢を示しているもとで、国連の潘基文(パンギムン)事務総長は28日、訪問先のハーグで、「国連憲章を忠実に守ろう」「軍事の論理がシリアを壊滅のふちに追いやり、地域を混乱させ、世界的な脅威を招いた。なぜ火に油を注ぐのか?」と語り、米英仏をけん制しました。
エール大学ロー・スクールのオナ・ハザウェイ教授とスコット・シャピロ教授は28日、米紙ワシントン・ポスト(電子版)への寄稿で「いかなる国も自分勝手な意見に基づいて世界の警察官として振る舞ってはならない」と強調しました。
両氏は、各国が自由気ままに戦争を仕掛けていた時代を人類は国連憲章をつくることで拒否したと指摘。「シリアに対して武力行使すれば、米国は戦争の禁止という第2次世界大戦後の根本原理を壊すことになる」と批判しました。
かつて米国務省の弁護士も務め、カリフォルニア大学アーバイン校で国際法を教えるデービッド・ケイ氏はメディアに対し、「国連安保理の許可がないなら攻撃は合法ではない」と明言しました。