2013年8月28日(水)
訪韓 笠井議員に聞く
(下)
歴史逆行 安倍政権に懸念の声
日本共産党 信頼さらに
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今回の訪韓では、歴史逆行の道を突き進む安倍政権への不安や懸念の声が、各界から寄せられました。同時に「日本の良心的勢力」としての日本共産党への注目と期待が集中し、また一歩、信頼が高まったと実感できました。
韓国の国会議員との意見交換では「(1965年の)国交正常化以降で最悪の日韓関係だ」「安倍政権になって、首相や閣僚、自民党政治家らの歴史の問題発言などが39回も続いている」と厳しい見方が出されました。
これにたいして私からは、「日本国民のなかには、歴史をゆがめる逆流に対する強い理性的批判の声が急速に広がっている」と伝えました。7月の参院選で、この逆流と真正面から対決した日本共産党が大きく躍進した結果を示すと、「日本国民の右傾化」と見ていた議員も「なるほど」と納得した様子でした。
「ナヌムの家」の記念式典では、「91年前の結党時から、侵略戦争と植民地支配反対をかかげ、韓国・朝鮮の愛国者に連帯してたたかった歴史を持つ党として、日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるため、全力をつくす」との志位和夫委員長のメッセージが共感を呼び、選挙結果にも盛大な拍手がありました。
「ナヌムの家」後援会長で、与党セヌリ党の李翰成(イハンソン)議員は来賓あいさつで、「日本に歴史認識を共有できる理性的・良心的勢力がいることは大変うれしい」と表明しました。
日本共産党の路線への注目度の高さも、うれしいことの一つでした。
「ナヌムの家」代表理事の宋月珠(ソンウォルジュ)大僧正は式典後、「日本共産党は暴力革命ではなく、選挙で議会を通じて政権をめざす党ですね」「ソ連、中国とは違うんですね」と語りかけてきました。私が党の綱領路線を説明すると大きくうなずいていました。
国会議員、韓日議連の関係者らは、「頼りは日本共産党、責任は大きい」「日韓の良心的勢力のつながりを深める調整役になってほしい」「日本共産党は、北朝鮮やソ連とは違う党だと、韓国社会でも丸ごと認識してもらうときだ。まだ韓国の保守派には拒否感があるから」と異口同音に熱い期待を語りました。
ソウルから車で4時間、江原道にある月精寺にも招かれました。韓国の文化財「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」が植民地時代の1922年に日本に持ち出されるまで保管されていた名刹(めいさつ)(由緒ある寺)です。その返還に向けて尽力した日本共産党と縁ができ、私は今回が3度目の訪問でした。
正念(ジョンニョム)住職とは朝7時から、原発問題や資本主義の矛盾、党綱領が示す未来社会論まで、心通う対話の1時間を過ごすことができました。
正念住職は「資本主義社会は自分の利益が何より大事と、他人を犠牲にしても自分の利益を得ようとする。そうではなく、人と人とが協力しあって共に生きる相生(サンセン)こそ本当の社会だ」と語りました。志位委員長著書の韓国語版『いま、日本共産党』を手にして、日本の対米従属の異常や極端な大企業中心主義についても「韓国と同じ」と共感を寄せました。
日韓両国・両国民の心通う友情を築くうえで日本共産党の果たす役割はいよいよ大きく、日本政府には、歴史と真摯(しんし)に向き合い、日韓の懸案を冷静に、理性的に解決する姿勢こそ求められています。 (おわり)