2013年8月25日(日)
救済の線引きは不当
「ミナマタ現地調査」で確認
|
水俣病をめぐる国の不当な地域・年齢の線引きに対し全ての被害者救済をめざした新訴訟提起(6月20日)後初の「ミナマタ現地調査」が24日、熊本県水俣、天草両市で始まりました。水俣病患者団体や訴訟弁護団、支援団体らでつくる実行委員会の主催。25日までの日程です。
参加者らは水俣市から不知火海の対岸にある天草市新和町大多尾(おおたお)に海を渡り、住民から被害実態を聞き取りました。大多尾集落は、水俣病救済策の対象地域外とされ、救済申請者の半数が書類審査だけで切り捨てられています。
現役の漁師で救済対象には「非該当」とされた男性(77)は「中学の頃から水俣や出水灘に漁に出てカタクチイワシを取ってきたのに、汚染された魚介類を食べていないというのか」と憤りました。
水俣病患者の掘り起こし検診に長く携わってきた藤野糺(ただし)医師は、25年前に大多尾で体験したこととして「当時たくさんの人が水俣病と診断されたものの、報道で公になると、さまざまな圧力で被害が封じ込められた」と語りました。
証言聞き取り後、不知火海を見渡すことのできる瀧洞(りゅうとう)山(標高315メートル)に登り、海に無理やり線引きをして被害者を切り捨てる不当性を確認しました。