2013年8月25日(日)
福島第1原発
漏えいタンクに事故歴
地盤沈下で解体→移設→再利用
東電が臨時会見
東京電力は24日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水タンクの漏えい問題で臨時会見を開き、漏えいしたタンクに事故歴があることを明らかにしました。当該タンクを含む3基のタンクが、当初は別のエリア(区画)に設置されていたものの、基礎のコンクリートが地盤沈下したため、いったん解体した後、現在のエリアに移設し再利用したものだと発表しました。
東電によると、タンクは2011年6月16日に「H1」と呼ばれるエリアに設置を開始。ところが翌7月19日、水張り試験中にコンクリートの基礎の一部が20センチメートルほど低下し傾きました。そのため3基を解体して、現在の「H4」エリアに移送し9月下旬にかけて設置。昨年7月31日に処理水で満水にして運用を開始しました。再利用したタンクに特別な点検をしておらず、地盤沈下の原因も分からないとしています。
東電は「地盤沈下によりタンクが支持されていない状況が一時期あった」としつつ、今回の汚染水漏えいとの因果関係は不明だとしています。
タンクは斜めになるといろんな所にひずみが出るため、不具合が出るような余計な力がかかったか評価したところ、「問題ない」と元請け会社から報告を受けたと説明しています。
3基のうち2基は、現時点で漏えいは確認されていませんが、東電は内部の汚染水を空タンクに移す計画。
一方、漏えいタンク内部を外観点検した写真を公表。大きな損傷は確認されなかったとしています。当該タンクの底部は、5分割した底板のフランジ部をボルトで締める構造です。
この問題では、23日に現地調査をした原子力規制委員会は、東電に対し、すべてのタンクで対策をとるよう求めています。