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2013年8月24日(土)

「はだしのゲン」閲覧制限撤回を

日本図書館協会が要望書

自主的な読書活動 尊重して

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 日本図書館協会の「図書館の自由委員会」(委員長=西河内靖泰氏)は22日、原爆や戦争の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」の閲覧を市内の小中学校に制限させた松江市教育委員会と同市の清水伸夫教育長に対し、子どもたちの自主的な読書活動を尊重し、閲覧制限を「再考」=撤回するよう求める要望書を送付しました。


写真

(写真)「はだしのゲン」

 要望書は、図書館は国民の知る自由を保障することを最も基本的な任務とし、図書館利用の公平な権利を年齢等によって差別してはならず、「ある種の資料を特別扱いしたり、書架から撤去したりはしない」とした「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会総会決議=1979年)を提示し、アメリカ図書館協会が年齢による図書館利用の制限措置を「目立たない形の検閲」だと批判していると警告を発しています。

 また、図書館で利用が制限されている蔵書を読みたい子どもが、「教師さらに校長の許可を求めることの心理的負担は、とても大きい」「その本を読むことが教師や校長から良くないことだと思われると受け止める」とし、「学校図書館の自由な利用が歪(ゆが)むことが深く懸念されます」と批判しています。

日本被団協も要請書

原爆の実相伝える作品

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は23日、松江市教育委員会あてに、「はだしのゲン」閲覧制限をすみやかに撤回するよう求める要請書を送りました。

 要請書は、日本被団協が原爆の残酷さ、あの日の地獄、今日までつづく苦悩を語り続けてきたことをのべ、「私たちと同じ体験を誰にも味わわせないためです」と強調。「『はだしのゲン』は原爆の実相を伝える作品です。国の内外で、原爆を知る本、必読の本として高く評価されています」とのべ、「閲覧制限しなければならない理由はありません」と指摘しています。

 子どもは「あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由」(児童の権利に関する条約13条)をもっており、教育的配慮の名で権利を侵してはならないとして、松江市教委に対し自由に閲覧できる措置をとるよう求めています。


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