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2013年8月22日(木)

きょうの潮流

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 「はだしのゲン」をはじめて読んだのは小学生のころ。週刊少年ジャンプの連載でした。漫画で表現した被爆のリアルさに、怖くて、気持ちが悪くなったことも。しかし、目と心は吸い込まれていく強烈な体験でした▼当時のジャンプは「ど根性ガエル」や「トイレット博士」といった気軽に楽しく読める漫画が人気を集めていました。そこに原爆を描いた漫画が加わるのですから、読者に受け入れられるのか、周りは戦々恐々だったといいます▼ところがファンレターが編集部に殺到します。作者の中沢啓治さんによると、「もっともっと、原爆と戦争の実態を、わたしたちに教えてください」という熱い思いをこめた手紙ばかりでした(『はだしのゲン わたしの遺書』)▼その漫画が松江市や鳥取市で見ることを制限されていました。松江市では、教育委員会が市内の小中学校に図書室での閲覧や貸し出しを中止するよう要請していました。描写が過激で残虐との理由で▼原爆はこの世に地獄をつくる最も残虐な兵器です。唯一の被爆国である日本が戦争の悲惨さを訴えることは核兵器のない世界の実現にもつながるはずです。多くの国で読み継がれる「はだしのゲン」には、平和への思いがこめられているのです▼広島で被爆したゲンは父や姉弟を亡くし、原爆症に苦しみ、そして母まで…。何度もくじけそうになりながら、明るく生きる姿に、どれほどの勇気をもらったか。「ふまれても、ふまれても、たくましい芽を出す麦のようになれ」


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