2013年8月20日(火)
汚染水タンク漏えいか
福島第1原発
周囲で毎時20ミリシーベルト超
汚染した土壌の回収へ
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で19日、敷地内に設置した汚染水貯留タンク周辺から水が出ているのが見つかりました。タンク内から高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れ出たもので、どのタンクから漏れているのかは特定できておらず、漏れ出た汚染水の濃度や総量は不明です。
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東電によると、同日午前9時50分ごろ、H4エリア内の北側のタンク群の周囲に設置されている堰(せき)の排水弁から水が出ているのを社員が発見し、弁を閉めました。堰の中には深さ1〜2センチメートル程度の水がたまっており、堰の外側領域では縦横3メートル、深さ1センチメートルの水たまりが確認されました。
堰の外の水たまりがある場所は、コンクリートなどを打っていないため、目視で確認された以上の量の水が地中に染み込んでいる可能性があります。
タンクは、高濃度汚染水を処理する過程で「淡水化処理」をした後の濃縮塩水を貯蔵しています。
一方、原子力規制庁によると、水が漏れ出している場所付近で毎時20ミリシーベルト以上の放射線量を測定。規制庁の担当者は「漏えいした水の周辺のみで、けた違いに高い放射線量が確認されている。タンク内には高い濃度の放射性物質を含む汚染水が入っているので、状況的に汚染水が漏れていると推定している」と説明します。
東電は、堰の外の水たまりで、高いベータ線、ガンマ線が検出されたことから「水がタンクから漏えいしたことが否定できない」としています。
排水弁が開いていたことについて、東電は「雨水がたまるので、それを排水するために基本的に開いた状態にしている。万一、汚染水が漏れたときには弁を閉める。漏えいセンサーがついている」と説明しています。ただ今回、センサーが正常に作動したかどうかは未確認だといいます。
東電は同日、原子力規制庁に事故報告をしました。福島第1原発は14日に廃炉に向けた「実施計画」が原子力規制委員会に認可されたばかり。報告は認可以降設けられた規則に基づくもので、今回が最初です。原子力規制庁はどのタンクから漏れているかを早く特定すること、汚染水が漏れた場所の汚染土の回収などを指示しました。