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2013年8月17日(土)

主張

教育のつどい

子どもの姿語りあい元気に

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 明日まで名古屋市内で、「教育のつどい」(教育研究全国集会2013)が開かれています。

 作家の椎名誠さんの記念講演、いじめや体罰、3・11大震災・原発事故など八つの教育フォーラム、多数のリポートに基づき討論する30の分科会などプログラムは多彩です。多くの参加者で成功することを心から期待します。

貧困と格差の広がる中で

 教育の営みは、子どもを理解してこそ成り立ちます。貧困と格差の拡大、インターネットの普及などで、子どもの変化はおとなの想像をこえています。子どもの様子を交流し、深めたいところです。

 各地のリポートには、気になる子どもたちが多く登場します。

 弱い立場の子どもを守るふりをしながら、その子を見下し、いたぶる子ども。怖い先生の前でなければ、やりたい放題の子ども。トラブルをおこし続ける子ども。「どうせ」が口癖の子ども。

 ネットの「ライン」の影響も大きく、グループのなかで多いときには1日100通近いメールが飛び交い、子どもは「誰が何を言ったのか」に翻弄(ほんろう)されます。

 こうした事例は突出してみえますが、今を生きる子どもの苦悩を代表し、大勢の子どもとの共通性もあります。こうした子どもたちを愛し、育むことこそ、今日の教育の大切な社会的使命です。

 ある教員は、怒って暴れ続ける子どもを抱きしめ落ち着かせてきました。やがて子どもはカッとなった時、さびしい時、がんばりたい時、「ぎゅ〜してパワーちょうだい」と来るようになります。別の教員は子どもへの態度を(1)正しい、自明と思えることでも押し付けない(2)どんな子のどんな状態も教育的働きかけで発達する(3)「指導」を通すために脅かしたり、恥ずかしい思いをさせたり、罰を与えたりしない、と整理しました。

 「子ども理解」は、教員や保護者らをつなげる力もあります。

 ある青年教員は、「いじめ」について話しあった教え子たちの声を保護者に伝えたいと思います。そのための集まりを持ち、保護者と思いを交流することができました。子どもの声を真ん中に、保護者と教員がつながりあうことに、教育を変える展望をみています。

 気になる子どもについて情報交換し検討する「支援ネットワーク」を、教員や児童福祉関係者らで立ち上げた地域もあります。教員は「情報量が全然違う」と驚きます。

 一方、こうした教育への逆流があります。安倍首相が執念を燃やす改憲と一体の「教育再生」です。

 全国学力テストは全面復活し、子どもを点数で選別する風潮を強めました。また各地で「許容度ゼロ」の生徒指導が広がり、子どもを力で押さえつける傾向が広がっています。さらに侵略戦争美化の教育もたくらまれています。

憲法が生きて輝く教育を

 教育を利用して、弱肉強食の経済社会、海外で戦争をする国など支配層の国策に従う人間をつくろうというものです。

 しかし、教育は支配層の道具ではなく、子どものためのものです。それこそ憲法の精神です。つどいは「憲法と子どもの権利条約が生きて輝く教育」を掲げました。

 子どもの姿を語りあえば、元気がでます。みんなで集い、逆流を押し返し、子どもから出発する教育の大きな流れを作りましょう。


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