2013年8月15日(木)
安倍首相 “靖国に玉串料”の意向
侵略戦争肯定、改めて示す
安倍晋三首相は14日、終戦記念日(15日)の靖国神社参拝を行わず、代わりに「自民党総裁」として私費で玉串料を納める意向を固めました。
靖国神社は、日本の侵略戦争を“自存自衛”“アジア解放”の戦争だったと正当化し、宣伝センターの役割を果たしています。同神社参拝の見送りで内外の批判をかわす狙いですが、玉串料奉納に踏み切ったことは国内外に侵略戦争肯定の立場を改めて示すことになります。
安倍内閣の稲田朋美行政改革担当相ら3閣僚が終戦記念日の靖国参拝を示唆していることについて、首相は「閣僚が私人として参拝するかは心の問題で自由だ」(6日、広島市)と容認しています。これに対し韓国国会の東北アジア歴史歪(わい)曲(きょく)対策特別委員会は、13日の声明で「靖国神社参拝を保留すると言いながら、一方では閣僚の参拝を容認するという欺まん的態度を見せている」と批判しています。
首相は今年4月の靖国神社春季例大祭に合わせて「内閣総理大臣」の肩書で「真(ま)榊(さかき)」を奉納。同例大祭での麻生太郎副総理ら4閣僚の靖国参拝を擁護し、中国、韓国、米国など国内外から批判された経緯があります。
靖国神社に玉串料を「公費」で奉納することは1997年の最高裁判決で違憲との判断が出ています。首相の「私費」での奉納に、日本から侵略された中国や韓国への配慮という意味合いはありません。
玉串 玉串とは神道で神前に拝礼するときに捧(ささ)げる榊(さかき)などの枝に木綿か紙をつけたもの。靖国神社のオフィシャルガイドブックによると「玉串の玉は人の『魂』、串は常緑の『榊』で、それに願いを託してご神前に捧げる」としています。参拝では参列者の代表が玉串を捧げるとも書かれています。安倍首相は、玉串料を代理人を通じて納めるとしています。