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2013年8月11日(日)

看護師のスト実る

ペルー 大幅賃上げで合意

最低給与は8割増

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 南米ペルーのウマラ政権は9日、賃上げや公的医療の充実などを要求しストを続けてきた看護師組合と合意文書に調印したと発表しました。合意は組合の主張を全面的に認めたものとはなっていませんが、大幅賃上げの方向が確認されており、23日間にわたった看護師らのストライキ闘争の成果だと注目されています。

 現地からの報道によると、同国の公立病院などで働く看護師の月額給与は最低で1239ソル(約4万4000円)。組合側は、1500ソル(約5万3000円)増を要求し、地方やへき地で勤務する看護師の給与水準が不当に低い問題の是正を主張してきました。

 今回の合意では、看護師給与の1000ソル(約3万5000円)増(9月実施)が盛り込まれました。実現すれば、最低給与は2239ソル(約80%増)となります。

 保健省所属の医療機関で働く看護師が加入する保健省看護師連合のソイラ・コトリナ書記長は9日、ミドリ・デハビッチ保健相とともに合意文書に調印。その後の会見で、「(合意は)100%ではないが、われわれを満足させる部分がある」「われわれは状況が改善する方向に向かっている」と説明しました。

 政府側は、同じく賃上げを要求してスト中の医師らを含め公的医療機関の職員給与引き上げのために、2億1400万ドルの追加予算を編成すると発表しました。看護師、医師など職能別の具体的な賃上げ額は今後の国会審議にゆだねられます。

 コトリナ書記長は、組合として重視してきた地方と都市の給与格差の解消については、「とくに地方の看護師の給与が引き上げられることになるだろう」との見通しを語っています。

 ウマラ政権は当初、賃上げ要求に応えるのは困難だとの立場を繰り返していました。しかし、国内でインフルエンザが急速にまん延し、8日までに44人が死亡する事態となり、政府はこの対策のためにも組合側との妥協を余儀なくされたとみられています。看護師ストが妥結したことで、ワクチン接種など対策が本格的に進むことが期待されています。

 (菅原啓)


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