2013年8月10日(土)
BPO決定
大津いじめ・ネットに実名流出
フジに倫理上問題
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送と人権等権利に関する委員会(三宅弘委員長)は9日、「大津いじめ事件報道に対する申し立て」に対する委員会決定を発表しました。
昨年7月の5日と6日、フジテレビの「スーパーニュース」内で、大津市の中学生がいじめを受けて自殺したとして両親が起こした民事訴訟を報道した際、加害者とされる少年の実名が画面に流れました。
画面は小さく、それぞれ1秒未満と2秒弱で、通常の視聴方法では判読不能でしたが、その後に少年の名を読み取れる静止画が第三者によりインターネット上に流出し、爆弾予告や殺人をほのめかす脅迫があり、少年とその母親が、プライバシーを侵害されたとして同委員会に申し立てていました。
委員会決定は、静止画像にすれば氏名が判読できる映像を放送した点で、人権への適切な配慮を欠き、放送倫理上の問題があると判断しています。
そして現在のテレビ録画機能の高度化やインターネットの普及など、メディアをとりまく状況の変化から、放送局は二次的な使用の可能性を想定して日常的な業務にとりくむことが求められているとしています。