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2013年8月5日(月)

震災・原発

復興予算「35%使い残し」なぜ

被災住民なおざり

生活再建後回し

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 復興庁は東日本大震災の復興のために国がつけた2012年度予算約10兆円のうち35%にあたる約3・4兆円が使われなかったと発表しました。

 同庁の予算会計班は「使い残しのうち約2・2兆円は契約が成立しているなど、今後のめどがある」「使い残した理由は事業をおこなう上で地元住民との合意形成や複数にまたがる事業の調整に時間がかかったため着手できなかった」などと説明しています。

 確かにそうした理由もありますが、本質的な使い残しの原因は被災住民の生活再建、生業の安定をなおざりにしていることにあります。

 実際震災から2年以上経た現在も避難者は30万人に上り、原発被災による避難者も15万人に達しています。

 生活基盤である住宅建設の遅れも深刻です。

 復興公営住宅の建設計画は岩手、宮城、福島3県で合計2万400戸(復興庁)ですが、着工しているのは2923戸、完成しているのはわずか248戸にすぎません。(4月段階の各県ホームページ)

 恒久的な住宅建設をおこなううえで欠かせないのがまちづくりです。津波被災地では土地利用計画をつくり、そのうえで防潮堤や防波堤などの防御インフラを整備する、こうした措置を講じても浸水を防ぐことができない地域については高台移転のメニューが用意されていますが、従前居住の土地の評価が低くそれに比べて高額の高台移転地にはとても家を建てられないなどの問題を抱え、被災者同士の合意形成もすすまない実態があります。

 被災者生活再建支援法による自力再建の道は用意されていますが全壊でも300万円の支援金です。そのため被災自治体が独自の上乗せをしているものの、被災者の貧困化が進んでいるなどの厚い壁があるため住宅再建はなかなか進まないのが実態です。

 こうした事態をもたらした背景には先の民主党政権が復興基本法の目的を復興だけでなく「日本経済の再生」においたことがあります。

 安倍政権は民主党政権下の19兆円から大幅に予算を追加、総額25兆円に達する復興予算を投じるとしていますが、「国土強靭(きょうじん)化」と称する大型インフラの整備が重点的におこなわれているものの生活再建は一向に進まないという復興需要のミスマッチをおこしているのです。

 生活再建支援金の増額など被災者への直接的支援がすすまない限り国民の増税による復興予算がムダな公共事業に使われたり、使い残すことを繰り返すことになります。

 (党国民運動委員会・高瀬康正)


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