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2013年8月1日(木)

すばる望遠鏡 迫れるか 宇宙の運命

ハイパー・シュプリーム・カム

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写真

(写真)すばる望遠鏡(左)の主焦点に取り付けられる「ハイパー・シュプリーム・カム」(右)(C)国立天文台

 すばる望遠鏡の新しい瞳「ハイパー・シュプリーム・カム」(HSC)はその広い視野を生かして、宇宙の“暗黒”の謎に迫り、宇宙の過去・未来の運命の解明に挑みます。

 宇宙には、私たちがよく知る普通の物質のほか、正体不明の暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギーが存在。暗黒物質は銀河やブラックホールなど多様な天体の形成に重要な役割を演じ、暗黒エネルギーは宇宙が現在も加速膨張している原動力と考えられています。いずれも宇宙進化のカギを握る存在です。

 東京大学や国立天文台などが進める「すみれ計画」では、5年間で数億個という莫大(ばくだい)な数の銀河をHSCで観測し、統計的な手法で暗黒物質の地図づくりを進めます。また新たな超広視野分光器の開発も進めてすばるに搭載し、銀河の色の違いから正確な距離をつきとめ、宇宙膨張の歴史を解明する計画です。

 宇宙は、永遠に膨張し続けるのか、あまりにも巨大な暗黒エネルギーで宇宙が引き裂かれてしまうのか。宇宙の運命にも迫る観測から目を離せません。(中村秀生)


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