2013年8月1日(木)
生活保護基準 きょうから引き下げ
子育て世代ほど削減額大
安倍政権は8月1日から生活保護基準の引き下げを強行します。今回の基準引き下げは3年間で最大10%にも達し、戦後最大の歴史的大改悪です。子どもが多い世帯ほど削減額が大きくなり、子どもの貧困にも拍車をかけます。
生活保護基準の引き下げは、1950年に現行制度が開始されて以来、2003年(0・9%減)と04年(0・2%減)にしか行われていません。最大10%にもおよぶ引き下げは初めてです。
生活保護基準の引き下げは、安倍政権の社会保障切り捨て計画の第1弾です。参院選では国民の反撃を恐れて争点隠しに終始し、基準引き下げも選挙後の8月からの実施としました。
削減額は今年度で150億円。3年間かけて670億円(6・5%)を予定しています。今年度は、年末に支給する期末一時金も70億円削減します。
今回削られる生活扶助費は、食費、光熱費、衣類などに充てられる生活費そのものです。生活を切り詰める貧困世帯をさらに追い詰めます。
国民生活の最低ラインを示す生活保護基準は、低所得世帯に対する各種の支援施策の指標としても使われています。基準引き下げにより、就学援助(156万人が利用)や保育料減免などを打ち切られる世帯が出る可能性があります。安倍政権は「影響が出ないようにする」といいますが、予算措置が行われる保障はありません。
また、生活保護基準は最低賃金にも連動し、最賃の引き上げを阻害する要因にもなりかねません。
貧困問題にとりくんでいる「全国生活と健康を守る会連合会」などの各団体は、生活保護基準の引き下げは「憲法違反」だとして全国で審査請求を呼びかけています。
同会の安形義弘会長は「当事者の声を聞かずに基準引き下げを強行することは許しがたい暴挙だ」と指摘します。
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