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2013年7月25日(木)

暴走加速 安倍政権 広がる矛盾 続

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雇用ルール改悪

秋から審議会で議論開始

 安倍政権は、秋の国会に提出するリストラ支援の「産業競争力強化法案」に関わって、「円滑な労働移動を進める」(参院選公約)として雇用のルール改悪を狙っています。

 対象は、解雇が自由となる「限定正社員」の導入をはじめ、残業代ゼロの「裁量労働」の拡大、労働者派遣法の改悪。秋から審議会で議論を開始、来年の通常国会への法案提出を予定しています。

 しかし、その内容は正規・非正規を問わず全労働者の雇用を破壊するものであり、国民・労働者の厳しい批判を免れません。第1次安倍政権時、「残業代ゼロ法案」は提出もできず断念。労働法制の規制緩和は貧困と格差を拡大させ、自公両党は政権を失いました。

 国民の所得を減らしデフレ不況打開にも逆行する雇用破壊を突き進めば、労働者との矛盾をいっそう深刻なものにするだけです。

消費税増税と社会保障削減

「一体改悪」の実施を狙う

 参院選後の世論調査(24日付「朝日」)でも「反対」(58%)が「賛成」(30%)を圧倒的に上回る消費税増税(来年4月に税率8%、再来年10月に10%に)。麻生太郎副総理は「国際公約に近い。変えると大変な影響が出る」と、来年4月からの税率引き上げを強行する構えです。

 消費税増税と一体で安倍政権は社会保障を切り捨てる計画です。8月上旬にも政府の社会保障制度改革国民会議がまとめる報告書に沿って、法改定を進める方針を明確にしています。

 国民会議が議論しているのは、医療の患者負担増、介護の「軽度者」切り捨て、年金の支給開始年齢のさらなる引き上げ、保育の公的責任を投げ捨てる「新システム」推進など。改悪メニューのオンパレードです。

 国民の批判に包囲されて前国会で廃案に追い込まれた生活保護法改悪案の再提出も狙います。介護保険法改定案は来年の通常国会に提出する方針。8月から生活保護費の切り下げ(3年かけて最大10%)が実施され、10月からは年金額削減(3段階で計2・5%)が開始されます。

 さらに田村憲久厚労相は、70〜74歳の患者負担(現在1割)を来年にも2倍に引き上げることを検討課題にあげています。

 旧自公政権を退陣に追い込んだ、社会保障削減路線への国民の猛反発が再来することは避けられません。

原発

再稼働・輸出“前のめり”

 安倍晋三首相と自民党は、原発の再稼働や原発輸出、エネルギー基本計画の見直しに前のめりです。

 参院選の結果が確定した翌日の23日、茂木敏充経済産業相は閣議後の記者会見で、再稼働に向けて国が先頭に立って地元の説得に当たる決意を口にしました。「再稼働は立地自治体はじめ関係者の理解が必要になる。その段階においては国も前面に出て理解を得る努力をしていきたい」

 22日には電気事業連合会の八木誠会長が「参院選の結果について」を発表。「原子力も含めたエネルギー資源の多様化により、3E(安定供給、環境保全、経済性)の同時達成を目指すことが大変重要である。ぶれることなく推し進めていただきたい」と原発推進を求めました。

 再稼働をめぐっては今月8日に新規制基準が施行され、4電力が12基の適合審査を原子力規制委員会に申請。審査後、政府が原発立地自治体の説得にあたるとみられます。

 アベノミクスの「成長戦略」では「原子力発電の活用」まで打ち出し、原発輸出のための環境整備を加速しています。政府は24日、民主党政権が打ち出した「2030年代までに原発稼働ゼロ」の見直しに着手しました。

 しかし、東京電力は参院選挙が終わるのを待ったかのように22日、高濃度の放射性物質に汚染された地下水が海に流出していたことを認めました。いまも1日に400トンもの放射能汚染水は増え続けています。

 いまだ15万人が避難生活を強いられており、事故は決して収束していません。

歴史認識

世界で孤立、破たんへの道

 日本の過去の侵略戦争を正当化する安倍首相の歴史認識が、アジア各国や世界との外交に深刻な矛盾をきたしています。

 焦点となっているのが、日本の侵略戦争と植民地支配を正当化する拠点、靖国神社に対する安倍首相の態度です。8月15日の「終戦記念日」や靖国神社秋季例大祭(10月)の時期に参拝する可能性を否定していません。参院選結果を受けて米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)22日付社説は「安倍首相は自身の右翼的外交見解が承認されたと受け取るべきではない」と警告しています。

 国会で靖国参拝への態度を問われた安倍首相は「指導者として尊崇の念を表することは国際的にも当たり前」(4月10日)と答弁。中国や韓国から批判されても「わが閣僚は、どんな脅かしにも屈しない」(同24日)と靖国参拝を正当化しました。

 靖国神社春季例大祭(4月)に合わせて麻生太郎副総理らが参拝し、安倍首相も「内閣総理大臣」の肩書で真榊(まさかき)を奉納。参院選の最中にも靖国神社みたままつり(13〜16日)に谷垣禎一法相ら4閣僚、自民党の野田聖子総務会長などがちょうちんを奉納しました。

 参院選後のNHK番組「時論公論」スペシャル(23日放送)で解説委員が「(日本は)中国、韓国と首脳会談を1年も開いていない。今の状態が続く限り東アジアの安定は考えられない。日本が世界から孤立しかねない状態だ」と指摘するなど、安倍内閣の暴走を危ぶむ声が出ています。 (関連記事)


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