2013年7月25日(木)
TPP交渉 日本向けに説明会
交渉団 「まだ案文消化できず」
【コタキナバル=面川誠】マレーシアのコタキナバルで行われている環太平洋連携協定(TPP)第18回交渉は24日午後、これまでの交渉内容を日本交渉団に説明する「日本セッション」を開きました。最終日の25日も同セッションを続けて今交渉は閉幕予定。日本交渉団が実質的な交渉に参加するのは次回からになります。
「日本セッション」は、初参加の日本交渉団に各国が交渉内容を説明した上で、日本からの質問に答えるもの。協定の交渉と言える内容ではありません。
日本交渉団の大江博首席交渉官代理は23日夜、記者団に対して、数千ページにおよぶ案文(交渉文書)を受け取ったばかりだと強調。「まだ案文を消化も何もできていない。今回はブリーフ(説明)をよく聞いて理解して、質問があれば答える。案文を持ち帰って読み込むことから実際の交渉準備が始まる」と述べました。
今回の分野ごと交渉は、24日午前に行われた政府調達、原産地規則、環境、制度的事項の4分野の作業部会で終了。日本から出席した各分野担当の交渉官は、もっぱら交渉内容を聞くことに終始しました。
次回の交渉は8月下旬から9月上旬にかけてブルネイで開かれる方向。10月に予定されている基本合意まで残された時間はわずかで、日本が実際の交渉に参加できる余地はほとんどありません。
日本交渉団は公式交渉とは別に、参加各国と個別に接触して、今交渉で参加できなかった農産物や工業製品の関税撤廃にかんする交渉内容の進み具合について情報を集めるとしています。