2013年7月24日(水)
TPP交渉 日本参加
守秘契約署名 交渉内容非公表に
【コタキナバル=面川誠】日本政府は23日午後、マレーシアのコタキナバルで15日から開かれている環太平洋連携協定(TPP)交渉に初めて参加しました。同日は、知的財産権、政府調達、原産地規則、環境、制度的事項の5作業部会の交渉に加わりました。
日本は約100人の交渉団を参加させていますが、今回の第18回会合では関税撤廃や金融サービスなど7分野の交渉はすでに終わっています。24日午後と最終日の25日には、交渉の現状を各国が日本交渉団に説明する「日本セッション」が開かれます。
日本政府はコメなど5品目を関税撤廃の除外品目にするとしていますが、実現は見込み薄です。
安倍晋三首相は2月の日米首脳会談で、すべての関税・非関税障壁の撤廃を原則とする「TPP輪郭」を確認済み。すでに交渉に参加している国の交渉関係者の一人は記者団に、「日本に認める関税例外品目は一つに限る、というのが米国の立場だ」と述べました。
23日午後、日本の参加を承認する米議会の手続きが終わったことを米交渉官が「協定寄託国」のニュージーランドに伝えました。これを受け、日本の鶴岡公二首席交渉官が、交渉の守秘契約に署名し、12番目の交渉国資格が認められました。
これにより、日本政府団は、これまでの交渉経過をまとめた数千ページ分におよぶという電子資料の閲覧が可能になりましたが、守秘契約によって交渉内容を公表できないほか、協定発効後も4年間は交渉関連文書が秘匿されます。