2013年7月15日(月)
きょうの潮流
幼い心に、ゆたかな情をはぐくむ童話。おとなになっても、胸の奥に宿りつづけます。「ごん狐」や「手袋を買いに」などを世に残した、新美南吉の作品も今日に語り継がれています▼故郷の愛知県半田市は生誕百年の今年、記念行事でにぎわいます。美しい自然を背景に、心のふれあいやユーモアあふれる物語を描いた国民的童話作家。その南吉が、日本共産党の運動に共感していたことはあまり知られていません▼1932年、東京外国語学校に入った南吉は学生運動の指導者と親交を結び、プロレタリア文学からも影響をうけます。当時の日記には「考へを変へなくてはならぬ……すこし、文学からはなれて社会科学をやりたい様な気もする」と▼言論は弾圧され、反戦平和や主権在民を口にすれば投獄された暗黒の時代。貧困や労働の仕組みを科学的に解明し、命がけで国民が主人公を訴えた党の姿は青年南吉の心をも動かしました▼その党の歴史は、今に生きています。「一貫して平和憲法を守り抜く姿勢を崩さない共産党に期待」(守中高明・早大教授)、「日本共産党は人の苦しみに共感して行動してきた政党」(小池政行・元外交官)▼韓国の映画監督チョン・ユンチョルさんは、この党を紹介した本の書評に「韓国人たちと一番親しい友達であり、強固な連帯勢力であることを改めて感じさせられた」と記しました。南吉をふくめ、内外の人々と心をつないできた日本共産党。参院選のたたかいのなかで、きょう91周年をむかえます。