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2013年7月14日(日)

主張

生活保護改悪案

再提出を許さず完全廃案に

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 通常国会で廃案に追い込まれた生活保護法改悪案など2法案を、安倍晋三政権が参院選後の国会に再提出し、成立させることを狙っています。生活保護を申請する権利を制限する仕組みを新設した改悪案は、生存権保障という本来の制度のあり方を百八十度転換させる重大な内容です。再提出をすることなど絶対に許されません。参院選で生活保護改悪を推進してきた各党にきびしい審判を下し、改悪策動を完全に葬り去るたたかいが重要です。

自公民がこぞって推進

 生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法案の二つの法案は、安倍・自公政権が、生活保護受給者の削減と保護費大幅カットを狙って通常国会に提出したものです。

 最大の問題は、福祉事務所の窓口で生活保護の申請すら認めない“水際作戦”を合法化する大改悪です。現在は、口頭でも申請を受け付けているのに、改悪案は文書による申請と給与明細や預金通帳などの提出がないと受け付けないことを大原則にしました。こんな仕組みになれば、夫の暴力の被害者など着の身着のままで逃げて生活苦に追い込まれた人などは生活保護の申請すらできません。

 保護を申請した人を扶養する能力があると見なされた親族などへの福祉事務所の調査権限を強化する改悪も盛り込みました。これは事実上の親族扶養の義務化です。「子どもや親に面倒をみてもらえ」と申請者を窓口で追い返す事態をさらに拡大するものです。改悪案と一体の生活困窮者自立支援法案も、生活保護を利用させない手段にされる危険は明らかです。

 申請権を奪う、かつてない大改悪案にたいする国民の批判は大きく広がりました。しかし、自民・公明両党と民主党などは“密室談合”をおこない、何の歯止めにならない「修正」をしただけで改悪案の衆院通過を強行しました。世論を無視して法案を押し通した自民、公明、民主、日本維新、みんな、生活の各党の暴走には一片の大義もありません。

 通常国会の最終日に、参院で首相問責決議が可決され、2法案が廃案になったことは、生存権保障を願う国民と、生活保護改悪推進の自公民などとの矛盾の広がりの反映です。世論と運動が政治を動かした重要な成果を踏まえ、たたかいをさらに広げるときです。一度廃案になった法案の復活でなく、きっぱり断念がスジです。

 制定以来60年ぶりの生活保護法改定として、大改悪案を持ち出した安倍政権の生活保護攻撃は、戦後歴代政権のなかでも突出しています。来月からは、食費や光熱費などに使う生活扶助費を過去最大規模で削減する計画です。安倍政権が6月に閣議決定した「骨太方針」では、生活扶助費にとどまらない大がかりな保護費削減を打ち出しています。生きる手段を失った国民の「最後の安全網」を切り裂く政治にストップをかけなければ、未来はありません。

命を守る政治いまこそ

 生活保護改悪を突破口に社会保障制度全体の大改悪に突き進もうとする安倍政権の暴走を、国民の連帯の力でおしとどめるたたかいがいよいよ重要です。

 日本共産党は生存権を保障した憲法25条の全面実現をめざし生活保護制度をはじめ社会保障の充実と改革に全力を尽くす決意です。


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