「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年7月13日(土)

中南米でも大規模スパイ活動

米国に各国一斉反発

軍事から経済まで 説明求め結束

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 米国家安全保障局(NSA)が中南米で不法な情報収集・スパイ活動を実施していたことが暴露され、各国政府は一斉に反発を強めています。反発は米国の干渉を警戒してきた国だけでなく、親米的な国にも拡大し、新たな外交問題に発展しつつあります。(菅原啓)


 きっかけはブラジルの有力紙グロボ9日付の記事。記事は、NSAが中南米各国で電話やメールの通信記録を大規模に監視し、テロ対策など軍事・安全保障関連だけでなく、経済・エネルギー分野など多岐にわたって情報収集していたと暴露しました。情報源は、NSAの活動を暴露して米国から訴追されている元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン容疑者から提供された資料とされています。

 同紙によると、NSAが監視対象とした中南米の国は計14カ国。そのうち、ブラジルはもっとも多くの情報収集活動が行われていた国となっています。また、同国とコロンビア、ベネズエラ、メキシコの4カ国が「優先的な」監視対象国とされていました。

 ブラジル政府は9日、米国大使を呼んで、説明を要求。ルセフ大統領は問題を国連人権委員会に持ち出す構えを見せています。

 対象国の一つアルゼンチンのフェルナンデス大統領も同日、「報道を知り、背筋に寒気を覚えた」と不快感をあらわにしました。

 米国から巨額の軍事援助を受けているコロンビアも10日、外務相声明を発表し、未承認の情報収集活動と個人の通信の傍受が行われていたことに「憂慮」を表明。「個人のプライバシーと通信分野の国際条約に違反するスパイ行為を拒否し、米国に説明を求める」との立場を明らかにしました。

 メキシコ、チリ、コスタリカなど、対象国とされたほとんどの国が米国に説明を求める声明を発表。メディアは「中南米はスパイ行為の説明要請で団結」と報じています。

 この問題は、12日にウルグアイで開かれる南部共同市場(メルコスル、南米5カ国加盟)の首脳会議でも主要議題となります。ブラジルのパトリオタ外相は11日、NSAのスパイ行為の問題を非難する「(共同)声明について交渉している」ことを明らかにしました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって