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2013年7月13日(土)

「やらせメール」問題の玄海 再稼働審査を申請

九電 3、4号機 防潮堤なし

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 九州電力は12日、玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)について、再稼働の前提となる原発の新規制基準の適合審査を原子力規制委員会に申請しました。同社の申請は8日の、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続くもの。玄海3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の使用を前提にしているといいます。

 申請書では、想定する地震の最大の揺れ(基準地震動)は3・11以前と変わらず。津波の高さ(基準津波)は、複数の活断層が連動した場合の影響を考慮した結果、従来の海抜2メートルから90センチ上がったものの、敷地の高さが海抜11メートルなので「防潮堤は不要」としています。

 新基準が求める免震機能を有する緊急時対策所(1000平方メートル)は15年度に設置予定で、それまで代替施設の設置(180平方メートル)で対応するとしているほか、火災防護対策の火災感知器設置なども9〜11月をめどに整備するとしており、安全より再稼働を優先する姿勢を現しています。

 申請書類を提出後に会見した九電の吉迫徹副社長は「玄海1、2号機についても再稼働に向けて準備をしている」と述べました。

 申請を受け、規制委の事務局、原子力規制庁は、玄海原発3、4号機の審査を、四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)と関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)と同じチームに割り振りました。

 玄海原発をめぐっては一昨年、同原発2、3号機の運転再開を狙った国主催の住民説明会で、同社が社員や関連企業に再開賛成の立場でメールを投稿するよう指示した「やらせメール」が内部告発と日本共産党の追及で発覚。「世論操作」が大きな怒りを呼び起こしました。

「事故起きたら誰が責任」

同意しないよう要請

九州玄海訴訟団、佐賀知事に

写真

(写真)県側に申し入れる原発訴訟団の長谷川代表(左端)ら=12日、佐賀県庁

 「原発なくそう!九州玄海訴訟」団の佐賀運営委員会(長谷川照代表)は12日、九州電力が玄海原発3、4号機の再稼働を申請したことに対して佐賀県庁を訪ね、古川康知事あてに再稼働に同意しないよう表明することなどを求めて申し入れました。

 要請には県原子力安全対策課の瀬戸口健司参事が応対しました。

 要請文で「県の地域防災計画を読んでも県民への具体的な行動が分からず、県民の健康や生命を守ることができない」と指摘。▽再稼働に同意しないことの表明▽原発事故の対応について説明会の開催を▽事故が起きた場合の責任―など6項目の質問に、19日までに回答をと求めました。

 長谷川代表は「原子力規制委員会は原発事故が100%起きないと保証しないが新規制基準をつくり、これを認めるのはあなたたちだと言う。国は、電力会社の稼働申請を認めるのか。九電は利益のために申請し、経営しか考えない。規制委員会は100%の保証をしないのに事故が起きた場合誰が責任を負うのか。私たちはどこに逃げるのか何も分からない」と話しました。


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