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2013年7月11日(木)

安倍政権が狙う改憲シナリオ

共産党躍進が阻止への道

2016年を焦点に 参院選後は集団的自衛権

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 参院選の重大争点となっている憲法問題。安倍晋三首相はここにきて、「日本を誇りある国にしていくためにも憲法改正にもしっかりと取り組んでいく」(6日、京都)と口にしはじめました。しかし、その危険な狙いや改憲スケジュールは封印したまま。参院選後に狙われる改憲の動きとは―。そこに立ち向かうたしかな力は―。


 安倍首相は7日のNHK番組で「(自民党案の)ここを修正すればいいということであれば、当然政治は現実なので考えていきたい」と述べ、自民党改憲案の修正に応じる姿勢を示しました。

現憲法を全面否定

 自民党改憲案は、日本国憲法を全面否定し、「国防軍」創設で「海外で戦争する国」にし、基本的人権についても「公益及び公の秩序」の範囲内でしか認めない危険な内容です。それをもとに、参院選後、維新、みんな、公明各党などと合意形成を進めようというのが安倍発言の狙いです。

 実際、安倍内閣の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の委員を務める北岡伸一国際大学学長は次のように述べています。

 「今後の2〜3年の間に熟慮と合議を積み重ね、2016年の参院選の前に、(改憲案を)国会の発議にもっていったらどうだろうか。そして16年には衆参同日選挙を行い、同時に国民投票を行うのである」(「日経」1日付)

 自民党は参院選公約に「『憲法改正原案』の国会提出を目指(す)」と明記しており、明文改憲への道を許すかどうかが緊迫した争点です。

参院選後に議論へ

 もう一つ、参院選後に一気呵成(かせい)にすすめようと狙っているのが、海外で武力行使を可能にする集団的自衛権の行使です。

 集団的自衛権行使の容認に道を開こうとしている安保法制懇は、年内に結論を出すのが既定の方針。首相に近い自民党議員の一人は「参院選後に議論に入っていく」と述べています。

 安保法制懇の答申を受けて検討されるのが、内閣の憲法解釈変更と「国家安全保障基本法」。双方とも政府が「憲法上、許されない」としてきた集団的自衛権行使を可能にしようとしています。

 来年早々にも集団的自衛権の行使をめぐり緊迫した事態も想定されます。

暴走を止める力は

 改憲へと突き進む安倍内閣の暴走をとめるたしかな力はなにかが問われます。日本維新の会やみんなの党はもともと改憲派。公明党も候補の7割が改憲容認(「毎日」アンケート7日付)。民主党も公約で「未来志向の憲法を構想する」としています。

 第1次安倍内閣が改憲にのりだしたとき、9条改憲を阻止しようと「九条の会」が全国に広がりました。その後7500を超えた同会の一翼を担い、草の根の運動と力をあわせて改憲策動を阻止してきたのが日本共産党です。

 安倍首相が持ち出した96条改憲論でも国会で反対の論陣をはるとともに、「しんぶん赤旗」に小林節・慶応大教授や古賀誠自民党元幹事長などに登場してもらいました。

 こうした日本共産党が躍進することが、改憲策動を食い止めるもっともたしかな力です。

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