2013年7月9日(火)
どうなの!?保育政策
共産党は こう考えます
「子どもを保育所に入れてほしい」―。認可保育所に入れなかった子どもの親たちが集団で行政に異議申し立てをし、各自治体が認可保育所増設に動きだしています。6月の東京都議選では、認可保育所増設を実現してきた日本共産党が躍進しました。日本共産党の考え、参院選での保育政策の主な内容を紹介します。
Q 政府の待機児解消策って?
A 公的責任放棄がさらに進む
Q 安倍政権は「成長戦略」で、「5年間で40万人分の保育の受け皿を」と待機児童の「解消」策を打ち出しています。期待していいのでしょうか?
A 認可保育所に入れない子どもがあふれる事態をまねいた責任は、自公政権と先の民主党政権にあります。
認可保育所の建設を中心にすえず、保育予算を抑えるために、子どもの「詰め込み」などの規制緩和に力を入れてきました。さらに、「官から民へ」と公立保育所の廃止や民営化を進めるなど、国や自治体の責任を次々と後退させてきました。
安倍政権の「待機児童解消」策は、保育に対する公的責任を投げ捨てる流れをいっそう強めるものです。倒産や撤退の懸念がある営利企業の保育所を増やせと旗を振り、設置基準や保育士配置の基準を引き下げようとしています。「安心して預けられる認可保育所を増やしてほしい」という父母の願いにはほど遠いものです。
Q 認可保育所を増やして!
A 国の責任で緊急・集中整備
Q 「認可保育所を増やしてほしい」「今すぐ保育所に入れたい」という切実な声に日本共産党はどうこたえますか?
A 当面の深刻な事態解決のために国の責任で安心して預けられる保育所を、緊急・集中的に整備します。予算の使い方を改め、保育のために年間6000億円を消費税の増税なしに確保し、毎年10万人分を建設します。
国の責任で市町村の財政負担を軽減するために、「安心こども基金」を拡充し、公立保育所を含めて建設費・改修費を助成します。廃止された公立保育所の運営費国庫補助を復活し、公立保育所の廃止・民営化に歯止めをかけます。とりわけ、待機児童が多い0〜2歳児の運営費を増やします。国の運営費を増やすことで保育料の値上げをストップさせ、父母負担を軽減させることができます。
「大都市部ではなかなか土地が見つからない」という悩みにこたえて、国有地を無償貸与して土地取得の助成制度をつくります。大規模な住宅やマンション開発での保育所用地の確保を進めます。
量だけでなく、質の向上もめざします。保育内容の低下につながる保育の「営利企業化」や基準の引き下げに反対し、保育条件を計画的に改善します。
あわせて、緊急措置も進めなければなりません。保育士配置や面積など認可保育所の基準を守りながら、緊急保育施設を建設している自治体があります。学校の空き教室や公共施設なども使いながら、認可基準を基本に緊急保育を確保します。
25万人近い子どもが利用する認可外保育所については、施設整備や保育士確保、資格取得などを支援し、保育条件の改善をはかります。保育料の負担を軽減します。
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Q 規制緩和しても大丈夫?
A 子どもの命にかかわる
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Q 急いで待機児童を解消するために、保育への規制を緩和して、保育所をつくればいいという動きがありますが。
A それは、安心できる保育所に預けたいという親の願いとは違います。保育所の面積基準は戦後直後からほとんど改善されておらず、引き下げは子どもの命と安全にかかわります。
財界や政府の規制改革会議は、待機児童解消を口実に、保育室の面積や保育士配置などの基準引き下げを繰り返し求めています。国基準を上回る基準を設ける自治体の攻撃までしています。
引き下げは、営利企業の参入促進のためでもあります。公明、みんな、維新の各党も営利企業参入促進、規制緩和を掲げています。
国がモデルとして広げようとしている横浜市では、新設認可保育所の6割近い81園が株式会社立で、すでに矛盾が生まれています。46園は園庭の面積基準の緩和を受け、ビルの高層階や鉄道高架下の認可保育所もあります。日本共産党市議団の調査では、保育士の年収が200万円足らずの園もあり、保育士が定着せず、育成が図られないなどの問題もあります。
ほかにはこんな政策も
日本共産党は、ほかにもこんな政策を掲げています。
○保育士の待遇改善をはかり、保育士の配置を保障します。
○人口減少地域でも安定した保育を保障します。
○自公民3党が強行した「子ども・子育て支援新制度」(新システム)は、国と自治体の責任を後退させ、営利企業にゆだねるものです。実施を中止します。
(政策全文をパンフレット形式にまとめたものは、日本共産党のホームページからダウンロードできます)