2013年7月9日(火)
政府統計でも貧困層増大
「アベノミクス」で格差さらに拡大
貧困層が急増しています。厚生労働省が4日発表した国民生活基礎調査によると、年間所得200万円未満の世帯割合は、1992年の13・6%から2011年の19・9%へと、1・46倍も増加しました。とりわけ年間所得100万円未満の世帯割合は同じ期間に、4・5%から6・9%へと、1・5倍以上に増加しています。
貧困層が増加したことで、中間的な年間所得を示す中央値が押し下げられました。1992年の549万円から2011年の432万円へ、100万円以上低下しました。
貧困層が急増するのは、2000年代初頭から。1990年代後半は15%程度だった年間所得200万円以下の世帯割合が、2000年代には17〜18%へと増加し、2割台をうかがうところまで来ています。当時の小泉純一郎自公内閣らが掲げた「構造改革」路線で、雇用の規制緩和や社会保障の削減が進められ、貧困と格差が広がったためです。
安倍晋三政権が進めている「アベノミクス」は、消費税増税や社会保障の削減で国民から所得を奪うものです。「成長戦略」に盛り込まれている「雇用改革」は、正社員雇用を破壊し、不安定就労と低賃金労働を広げるものです。安倍政権の経済政策に参院選挙で審判を下す必要があることは、政府統計からも明らかです。
中央値 数値を小さいものから大きいものへ順に並べたときにその中央にくる数値です。所得などの場合、一部の高額所得者によって平均値がつり上げられてしまい、平均値から実態をとらえることが困難になりがちです。そうしたことを避けるために、中央値が標準的な所得の指標として使われます。なお、国民生活基礎調査で2011年の平均所得は548万2000円でした。
|