2013年7月8日(月)
「自共対決」ここまで鮮明
フジテレビ・NHK党首討論番組
日本共産党の志位和夫委員長は7日、新報道2001(フジテレビ系)とNHK参院選特集に出演し、各党党首と参院選の争点について討論しました。経済政策、原発、外交、憲法とどの問題でも志位氏の追及に安倍晋三首相が言い訳に回る場面が多く、「自共対決」が鮮明となりました。(志位委員長の発言 NHK・フジテレビ)
経済政策
新報道2001で「自民党、アベノミクスと対決姿勢を強くしている」と紹介された志位氏。安倍首相が「60万人雇用増」を強調したのに対し、「増えたのは非正規が116万、正社員は47万減っている。正社員から非正規への大規模な置き換えがすすんでいる」と指摘しました。
NHKでは、経済政策をめぐって志位氏が「消費税大増税と雇用のルール破壊のアベノミクスに反対し、国民の所得を増やして景気回復を図る政治へ転換する。大企業の内部留保を活用して賃上げを図る」と表明しました。
安倍氏は「志位さんから企業の内部留保が多すぎる(と指摘された)。私たちも同じなんです」と認めざるをえない一方、デフレ下では賃金が上がらないと言い訳しました。
志位氏は「原因と結果を取り違えている。長期にわたる賃下げこそデフレの原因。労働法制の規制緩和をやってきた結果がデフレ経済をつくっている」と指摘。安倍政権の「成長戦略」では、解雇の自由化など雇用のルールを壊し、消費税増税で13・5兆円の大増税をかぶせようとしていることをあげ、「こんな道を進んだら、暮らしも経済も財政も全部破たんする。大転換が必要です」と主張しました。
原発
原発については安倍氏が「厳しい安全基準を満たさなければ再稼働はしない」と主張したのに対し志位氏が、「新規制基準」について重大事故が起こりうることを認めながら住民の避難計画がなくても再稼働を認める仕掛けだと指摘し、「再稼働は論外」と批判。原発輸出についても国内では「絶対安全はない」といいながら国外では「世界一安全な原発を提供できる」というのは「二枚舌外交であり、やめるべきだ」と強調すると、安倍氏は「避難計画は地方自治体がつくるものだ」「あの事故を経験して高い水準の安全を確保できる」と弁明しました。
外交・安全
外交・安全保障をめぐっては安倍首相の「日米同盟基軸」論に民主、維新、みんな、生活などが同調するなか、司会者から「共産党は土台から日米基軸を変えるべきだという立場でしたね」と紹介された志位氏。環太平洋連携協定(TPP)や沖縄の米軍基地問題で国民の声にそむいてアメリカいいなりとなっている実態をあげ、「アメリカとの関係は今の従属関係を改めて、対等平等の日米友好条約を結ぶことを提唱している。外交の基軸というなら、日米安保条約基軸から憲法9条を基軸にした平和外交への転換こそ必要です」とのべました。
憲法
憲法問題では、司会者から「憲法を擁護する立場も歴史的に継続している」といわれた志位氏は、自民党の改憲案の二つの危険な内容―(1)9条を変えて「国防軍」をつくる(2)基本的人権を「公益・公の秩序」の範囲内でしか認めない―をあげて、「断じてノーです」と批判しました。