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2013年7月7日(日)

きょうの潮流

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 フィギュアスケート安藤美姫選手の出産が波紋をひろげています。今年の4月に女児を産み、いまは本格的に練習を再開していることを、テレビで告白しました▼未婚で、現役選手のまま、出産を選んだ安藤選手。悩みながら「一人の女の人としての幸せを考えた」末の決断でした。ところが、父親探しに報道が過熱。ネット上では出産を非難し、人格を傷つける発言が激しさを増しています▼ある週刊誌はウェブ上で、出産を支持するか、子育てしながら五輪をめざすことに賛成か、を問うアンケートを開始。しかし、個人の生き方やプライベートなことで是非をとるなんてどうかしている、などの批判が集中。削除して編集長の謝罪記事をのせました▼安藤選手の個人サイトには励ましや応援とともに、女性差別や汚い言葉でののしるようなコメントが寄せられているといいます。みずからの意思で選んだ生き方を、他人が攻撃したり、悪口を公にする社会は、とても息苦しい▼とくにネットは、だれもが自分の意見を外にむけて自由に発信できる空間だけに、個人攻撃や誹謗(ひぼう)中傷が横行しがちです。憎悪や嫌悪、差別を助長する動きにたいしては、健全な社会をつくっていくためにも、それを許さないたたかいが必要です▼今回の事態は一個人のことにとどまらず、昨今のヘイトスピーチにもつながる人権の問題です。たとえ、自分の考えや思いとはちがっていても、相手を尊重し、受け入れる。すべての人間が自由に生きられる社会にしたい。


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