2013年7月4日(木)
ARF 行動規範協議に期待
南シナ海紛争で議長声明
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【バンダルスリブガワン=面川誠】今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国ブルネイの首都バンダルスリブガワンで2日、外相級会合の第20回ASEAN地域フォーラム(ARF)が開かれました。閉幕後に発表された議長声明は、ASEANと中国が「南シナ海行動規範(COC)」策定のための公式協議を9月に開催することで合意したことに期待を表明しました。
南シナ海での紛争は、「国連海洋法条約などの国際法の原則に従って、直接の当事国による友好的な協議と交渉を通じて平和的に解決する」としています。
北朝鮮の核兵器開発にかんしては、「ほとんどの外相が北朝鮮に対して国連安保理決議と2005年の6カ国協議合意の順守を促した」ことを明記。「朝鮮半島の非核化」については、すべての外相が再確認したことを盛り込みました。
日本人拉致問題は具体的な記述はせず、「国際社会の人道的懸念の問題に対処する重要性」との表現となりました。
北朝鮮は、米国が「対朝鮮敵視政策」をやめるよう求める文言を提案していましたが、盛り込まれませんでした。
声明はARFの役割が「アジア・太平洋地域で政治・安保問題についての対話と協力のための主要なフォーラム」であることを再確認。紛争を未然に防ぐ予防外交を実現するために「行動を志向するフォーラム」に発展させる必要性を強調しました。
ASEAN地域フォーラム(ARF) 東南アジア諸国連合(ASEAN)が主催して安全保障を話し合う外相級会合。1994年に開始。アジア・太平洋地域で安保問題を扱う唯一の政府間の枠組み。信頼醸成、予防外交、紛争解決の3段階による地域の平和・安定が目標。参加国はASEAN10カ国と米国、中国、日本、北朝鮮、欧州連合(EU)の27カ国・機構が参加。