2013年7月4日(木)
「大宰相」ともてはやす異常
参院選の争点質問しない記者とは!?
参院選公示前日に9党の党首が初めて一堂に会した日本記者クラブの党首討論会。本来ならば、党首同士が活発に討論し、各記者が国民の声を代弁して質問し、参院選の争点を洗い出す貴重な時間となるはずでした。
ところが、党首討論会の第2部では、「読売」「朝日」「毎日」「日経」の記者たちが安倍晋三首相に質問を集中させ、「大宰相」ともてはやす異常さ。「読売」の橋本五郎特別編集委員が「総理大臣中心に質問がいってしまった」と異常な運営を認めるほどでした。
しかも、参院選の争点となっている環太平洋連携協定(TPP)や沖縄の米軍基地問題を一切とりあげず、収束していない福島第1原発事故の問題も真正面から取り上げない始末。国民の代弁者といえるのか、日本記者クラブとは一体何なのかが鋭く問われました。
一方、党首討論会では、日本共産党など4党はほとんど無視。討論会の最後になって「読売」の橋本氏が「第2部で発言の機会が少なかった4党に二、三十秒ずつ、これを言わないと死んでも死に切れないことを最後にお話を」と笑いながら述べました。
この間、安倍首相と巨大メディアトップとの会食が「赤旗」の報道で問題になってきました。都議選告示の前々日(6月12日)には、各紙の論説委員らが首相と会食していました。毎回、与党などに偏った運営が問題になってきた日本記者クラブの討論会ですが、権力と癒着した巨大メディアがここまで腐ってきたのかと思わせる今回の討論会でした。 (松田繁郎)