2013年7月4日(木)
大飯運転継続認める
規制委 活断層の結論ないまま
原子力規制委員会は3日、全国で唯一稼働中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機について「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」とする現状評価書を了承しました。8日の新規制基準施行後も、9月の定期検査入りまで運転継続を認めたことになります。
今回の新基準との適合状況の確認作業が、3、4号機を停止しないで行われたことや、重要施設の下に活断層が通っている可能性について、規制委の専門家調査団の結論も出ていない中での運転継続容認に批判の声が上がっています。
規制委のこの日の議論では、「対策を小出しに提案する」などの関電の姿勢に対し、「安全意識の評価では、合格点に達していない」(中村佳代子委員)などの意見も出ました。
評価書は、「直ちに安全上重大な問題が生じるものではない」としたものの、「新規制基準施行後審査においては対応すべき課題がある」と指摘。新基準で求めている原発敷地と周辺の地下構造の把握についても、「詳細に把握できているとは言いがたい」とし、火災対策の設備面でも耐火壁などの設置を、新基準施行の審査に求めています。
事故時の対応拠点となる免震機能を備えた免震事務棟がなく、停止中の1、2号機の中央制御室横の資料室を仮の拠点として指定していることについて、評価書では「免震事務棟の早急な開設が求められる」としただけで、「おおむね適切な準備がなされている」と、関電の対応を容認しました。
規制委は、4月から検討会を設置して大飯原発3、4号機の現状評価を行ってきました。「安全上重大な問題がある」場合には停止を求める可能性があるとしていましたが、その具体的な基準は示されませんでした。
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