2013年7月3日(水)
「96条改憲に反対」
宗教者の共同声明に賛同者5500人
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宗教者が宗派を超えて「憲法96条改定に反対し、憲法9条を守ろう」と5月に呼びかけた共同声明の第1次集約集会が2日、国会内で行われ、60人余りが参加しました。
共同声明は「安倍首相の進める96条改悪に反対し、9条を守ることを祈り、求め」るとしています。集会では、約5500人の宗教者から賛同が寄せられていることが発表されました。
主催者あいさつで大倉一美さん(日本カトリック正義と平和協議会事務局長)は「憲法は、権力者をしばるものということが、この間の動きで知られるようになった。今度の参院選では、憲法を守る人を多く送り出さなければ」と訴えました。
集会では、呼びかけ人らがあいさつ。「世界の最先端に日本国憲法がある。これを変えることは時代の逆行」(辻井篤生さん・金光教非戦平和ネット)などと発言が相次ぎました。
まとめのあいさつで、真宗大谷派僧侶の石川勇吉さんは「96条改憲を口にした政党は、政治生命を絶たれることを国民の常識にするために奮闘したい。それが侵略戦争に傷つき倒れ、憲法をうち立てた先人への責務」とのべました。
集会では、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さんからメッセージが寄せられ、7月末までに1万人の賛同を目指す方針を確認しました。日本共産党の笠井亮衆院議員があいさつしました。
若手弁護士・憲法学者ら共同声明
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若手弁護士や憲法学者が2日、憲法96条を改定し立憲主義を否定する動きに反対する共同声明を発表しました。2日現在、若手弁護士441氏、憲法学者53氏が賛同しています。
声明の呼びかけ人は、打越さく良弁護士(東京)、川口創弁護士(名古屋)、笹山尚人弁護士(東京)ら若手弁護士8氏と、奥平康弘東大名誉教授、森英樹名古屋大名誉教授ら憲法学者7氏です。
声明は、憲法はそもそも個人の人権を保障するために国家権力を制限するものだとし、96条改定で改憲の発議要件を衆参両院の過半数に緩和すれば、権力者や多数者の意向で人権を容易に制約できるようになると批判しています。
同日午後、国会内での会見で、声明の作成にかかわった深井剛志弁護士は、「人権の制約と改憲手続きが容易になること。この2点への反対を一致点に各地の弁護士、研究者でつくりあげた」と内容を解説しました。
呼びかけ人の神保大地弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会共同代表)は、「さまざまな立場の若手から1カ月という短期間にこれだけの賛同が寄せられたのは画期的だ。その危機感に呼応して、憲法学者も支援している」と話しました。
同じく呼びかけ人の阪口正二郎一橋大教授は、多数決で人権を侵すことを許さないのが立憲主義の核心だとし、「今回、若い人が立ち上がったのは日本社会に憲法や立憲主義が根づいている証拠だ」と期待を語りました。