2013年7月2日(火)
ワシントン 最賃引き上げ大詰め
大型小売店対象の法案
市議会で審議
【ワシントン=島田峰隆】米国の首都ワシントンの市議会は大型小売店で働く労働者の最低賃金を大幅に引き上げる法案を審議しており、最終採決前の大詰めの段階です。低賃金など劣悪な労働条件の改善を求めてきた労働組合側は最低賃金引き上げの実現を呼び掛けています。
法案は、市内に一定の面積を超える店舗を持つ小売業者に対し、売り場で働く従業員の最低賃金を時給で現在の8・25ドルから12・50ドル以上へ引き上げることを求める内容。小売業世界最大手のウォルマートなどが対象になります。
市議会は6月26日、1回目の採決を行い、賛成8、反対5で承認しました。最終的な採決は7月10日に行われる予定です。
企業団体は、一部の大企業だけに負担を求める法案で不公平だと反発しています。法案を提案したビンセント・オレンジ議員(民主党)は「人生に一度でいいから企業のことを心配するのをやめよう。彼らは自分たちでなんとかする」と語り、他の議員に支持を訴えました。
米メディアによるとウォルマートは今後、ワシントン市内に6店舗を開く計画です。同社はグレイ市長に対し、法案に拒否権を行使するよう求めています。
全米食品商業労働組合(UFCW)は6月27日、「首都の大型小売店の労働者は生きていけるだけの賃金へ一歩近づいた」として、法案の成立を求めました。