2013年7月2日(火)
「要支援」150万人 保険外し
公的介護 安倍政権が計画
安倍・自公政権は、来年の通常国会に介護保険法改定案を提出する方針です。「最大の焦点」(「読売」6月24日付)と報じられるのが「軽度者向けサービスの見直し」。「要支援」の約150万人を保険給付の対象から外す案が浮上しています。参院選の大争点です。
自民党は「『社会保障制度改革国民会議』の審議の結果等を踏まえて」社会保障制度の「見直しを行う」と公約。国民会議が審議しているのは、介護、医療、年金などの大改悪です。
その一つが、介護保険の要支援者を「保険給付」から「事業」の対象に移し、「ボランティア、NPOなどを活用し柔軟・効率的に実施」することです。
財務相の諮問機関である財政制度等審議会も「軽度者」を「保険給付の対象から除外」し、「地域支援事業などを受け皿とする」ことを求めています。
保険給付のサービスには全国一律で人員や運営の基準が定められていますが、「受け皿」とされる地域支援事業にはそうした基準がありません。専門のホームヘルパーでなく、ボランティアや宅配弁当で済ませることも可能。利用料やサービス内容も市町村が裁量で決めます。必要な支援が用意される保証はありません。
介護保険に詳しい小竹雅子さん(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰)は「要介護認定を受けた人を保険給付の対象から外すのは、制度の原則、被保険者との約束をないがしろにすること」と指摘します。
「要支援」「要介護」の認定を受けた人は約554万人(2012年12月時点)。そのうち要支援者は約150万人に上ります。認定を受けた人の4分の1以上が、保険給付の受給権はく奪の標的にされているのです。