2013年6月30日(日)
可動柵 全駅に早く
視覚障害者らホーム点検
JR山手線・大崎駅
「片側だけは不安」
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JR山手線の巣鴨駅(豊島区)の可動式ホーム柵(可動柵)が29日、始動したのを受け、東京視覚障害者協会(東視協・稲垣実会長)は同日、同駅と大崎駅(品川区)の駅ホームを点検しました。
「可動柵があるのとないのでは雲泥の差。壁がないと、いつ足がホームの端に出てしまうかわからず、常に恐怖感がある」。巣鴨駅ホームを歩きながら、男性(70)は可動柵の設置を喜びました。
可動柵に沿って敷設してある点字ブロック。ドアの前は、点状ブロック(警告ブロック)が使われ、壁に沿って線状ブロック(誘導ブロック)が1列に敷かれています。男性(69)は「この点字ブロックの敷き方だと歩きやすく、可動柵があるので安心です」。
点字表示などの問題点も浮かび上がりました。可動柵ドアの左脇にある点字表示は号車番号とドア番号だけ。田崎さんは「地下鉄の可動柵にはホーム番号や行き先まで点字表示してある。人にぶつかるなどして方向がわからなくなり、反対側の電車に乗ってしまうこともあるので細かい表示が必要だ」と指摘。男性(57)は「ドアの左側だけでなく右側にも表示が必要。また、点字の位置が低すぎて探しづらい」と述べました。
大崎駅は1〜4番まである山手線ホームのうち、1、3番にしか可動柵がなく、ホームの片側だけに設置された状態です。
山城さんは「池袋駅も大崎駅と同様の設置状況だ」と指摘。「ぶつかったりして方向を見失うことがよくある。片側だけついていても、私たちは安心できない。ラッシュ時は2分間隔で電車が来るので落ちたら大変だ」と強調しました。
駅ホームから2度落ちた経験のある男性(59)は「可動柵があれば安心して歩ける。落ちれば命に危険があるので、早急にすべての山手線駅ホームに設置してほしい」と訴えました。