2013年6月30日(日)
経済でも外交でも自共対決
「対決者」「建設者」の党鮮明に
ネット党首討論 志位委員長が出席
日本共産党の志位和夫委員長は28日、インターネットの「党首討論」(ニコニコ動画)に出席し、8党党首で討論しました。4日公示の参院選(21日投票)に向けた最初の党首討論。経済政策や外交をめぐって自民党対共産党―「自共対決」の政党構図が際立ちました。
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討論のなかで志位氏は、参院選で訴えたい三つの点―(1)所得を増やし景気回復(2)原発ゼロ(3)憲法を守り生かす―をあげ、安倍政権への「対決者」、打開策を示す「建設者」としての役割を果たしたいと強調しました。
経済政策では、安倍首相が「まずはデフレから脱却して、企業が収益を上げていくなかで労働分配率が上がっていく」と主張したのに対し、志位氏は「デフレと賃金の関係が逆転している」とキッパリ反論しました。
志位氏は「デフレだから賃金が下がったのではない。長期にわたって賃金が下がり続け、モノが売れず、内需が冷え込んでデフレが起こっています」と指摘したうえで、派遣労働の拡大など政府の“賃下げ政策”でいっそうデフレが進むことを警告しました。「ここを転換し、働く人の所得を増やす。労働のルールをしっかりつくり直すことが必要です」と提起しました。
他党は「アベノミクスが大胆な金融緩和をとったのは大変結構」(みんな・渡辺喜美代表)と礼賛するなど、対立軸を示せませんでした。
外交をめぐって首相が「日米同盟関係によってアジアの安定を守っている」と論じたのに対し、志位氏は「紛争があっても外交交渉で解決する。憲法9条を生かした平和外交で、アジアの平和に貢献する日本になるべきです」「日米安保条約を廃棄して、対等・平等の日米友好条約を」と提唱しました。
志位氏はアジア23カ国で軍事同盟に入っているのは日本と韓国だけだと述べたうえで、「紛争があっても平和的な話し合い、外交交渉で解決する『ASEAN WAY』(東南アジア諸国連合方式)を北東アジアに広げるという発想が必要です」と強調しました。
他党は「いうまでもなく日米関係は外交・安全保障の一番の主軸」(民主・海江田万里代表)などと語りました。