2013年6月29日(土)
6カ国協議早期再開を提唱
中韓共同声明 政治・経済で協力へ
【北京=小林拓也】27日に北京で会談した中国の習近平国家主席と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、政治・安全保障・経済分野などでの協力拡大で合意し、同日夜に共同声明を発表しました。
声明によると、両首脳は中韓の「戦略的協力パートナーシップ」関係をさらに発展させることで合意。外相の相互訪問の定例化やホットライン(直通電話回線)開設をはじめ、外交・安保・政策などで戦略対話を強めていくことを盛り込みました。
経済分野では、中韓自由貿易協定(FTA)交渉の前進に向けた取り組み強化で合意。貿易総額を2015年までに3000億ドル(約29兆4000億円)にするという目標の実現を確認しました。
両首脳は、日中韓首脳会議の年内開催に努力することを確認。一方、日本の一部の政治家が歴史認識に関する誤った発言を繰り返していることを念頭に、「最近の歴史についての問題で、地域の国家間の対立と相互不信が深まっている不安定な状況が続いている」と懸念を表明しました。
北朝鮮の核問題について、「核兵器開発が朝鮮半島を含む北東アジア及び世界の平和と安定に重大な脅威となっている」という認識で一致。朝鮮半島の非核化実現に共に努力することを確認しました。
両首脳は各種の対話を強め、6カ国協議再開の条件づくりを積極的に行うと合意。習主席は、各国の努力で朝鮮半島情勢に積極的な変化が起きていると指摘、「関係各国がこのチャンスをつかみ、6カ国協議の早期再開に努力するよう希望する」と呼びかけました。
朴大統領は、北朝鮮の核問題で中国が今後も建設的な役割を発揮するよう求めました。