2013年6月28日(金)

“日の丸・君が代強制の動き”記述教科書

「不適切」と都教委通知

　東京都教育委員会は２７日の定例会で、「日の丸・君が代」で「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版の高校日本史教科書について、「都教委の考え方と異なる」として「使用することは適切ではない」とする「見解」を決め、各都立学校に通知しました。

　特定の教科書を「都教委の考えとあわない」として排除することには、教育関係者から「子どもたちの健全な批判力の育成を奪うものだ」とする批判があがっています。

　都教委の「見解」は、実教出版の高校日本史Ａ・同Ｂ教科書が「日の丸・君が代」について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」としたことに、都教委の考え方とは異なると主張。同社教科書の使用は「適切ではない」として、都立高校などに周知していくとしています。

　都教委は昨年も、２０１３年度教科書の採択をめぐり、同社教科書の記述が「都教委の考え方と相いれない」として、各学校に電話。それまで２割程度あった選定校がゼロになっていました。

　日本共産党都議団は２６日、都教委に教科書採択は各学校の判断を尊重するよう申し入れ、多様な意見や考え方のあるものを都教委の考え方と異なることを理由に排除することはあってはならないと指摘していました。