2013年6月28日(金)
伊が若者20万人雇用策
レッタ政権閣議で決定
【パリ=浅田信幸】イタリアからの報道によると、レッタ伊首相は26日、今後1年半の間に20万人の若者を雇用する対策を閣議決定したと発表しました。同国では25歳未満の若者の失業率が40%超ととりわけ深刻となっており、雇用対策は2カ月前に発足したレッタ政権が最優先課題に掲げていました。
レッタ氏の説明によると雇用対策は、30歳未満で半年以上仕事に就けないでいる若者を期間の定めのない契約で採用した企業に対し、減税措置を講じるとしています。とくに問題が深刻な中部と南部地域を重点的に支援し、予算として15億ユーロ(約1900億円)を充てることも明らかにしました。
レッタ政権は中道左派・右派の大連立として発足したこともあり、最初に取った施策は中道右派が求めていた住宅税の軽減措置にとどまりました。これに対し、三大労組は失業問題の対応が遅れていることを批判し、この22日にはローマで10年ぶりとなる統一デモを組織し、10万人を集めて政府に圧力をかけていました。
レッタ氏はまた、財源をかき集めて可能になったとして、付加価値税(日本の消費税に相当)の予定されていた7月1日からの増税実施を3カ月先延ばしすることも閣議で決定したと明らかにしました。