2013年6月28日(金)
きょうの潮流
さまざまな意見や声が楽しくつどう本紙の「読者の広場」。いまの名前になったのは80年代に入ってからですが、「しんぶん赤旗」の投稿の歴史は古い▼1928年2月1日の創刊で「諸君のあらゆる革命的闘争は、最も敏速に最も尖鋭にこの機関紙に反映させねばならぬ」と呼びかけ、読者のページ「鉄の火花」を創設。非合法のもとで「戦争反対」「主権在民」の声を載せてきました▼いまは、紙面を通して読者同士が交流する場に。ともに励まし、励まされ、経験や思いを語り合います。最近は月に600通をこえる投稿が寄せられ、ここ10年で倍加しました。はじめて投稿してくれる読者も増えていると、担当者は喜びます▼投稿欄はほとんどの新聞にあります。朝日の「声」や毎日の「みんなの広場」、読売の「気流」。その朝日の「声」に投稿しつづけて20年、100本近くも掲載され、それを冊子にした人がいます。三重県南伊勢町の元高校教諭、上野利生さん(77)です▼話をきくと投稿を始めたきっかけは憲法への危機感でした。当時も、自民党をはじめ「改憲」の大合唱。そのうえ小選挙区制が導入され、戦前の翼賛政治をみるよう。逆風のなかで筆をとり、政治や社会に「民の声」を届けてきたと▼いまの安倍政権も痛烈に批判する上野さん。「悲惨な戦争の反省から生まれた宝をゆさぶり、いたぶる。でも、96条の改定は世論がトーンダウンさせた」。みずからの思いを世に発信することの大切さを、新聞の投稿欄は教えてくれます。