2013年6月27日(木)
福島第1原発 汚染地下水
海流出「疑い強い」
規制委員
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の海に近い場所の地下水から国の定める濃度限度を大きく上回る放射性物質のストロンチウム90やトリチウム(3重水素)が検出されている問題で、26日、原子力規制委員が「(海への流出の)疑いが強い」と指摘し、予断を持たず対応するよう求めました。同日開かれた定例会合で発言しました。
福島第1原発では、1〜4号機のタービン建屋の海側に設置した観測孔で5月24日に採取した地下水から1リットル当たりストロンチウム90が1000ベクレル、トリチウムが50万ベクレル検出されました。
19日になってこの事実を公表した東電は、一昨年4月に高濃度放射能汚染水が海へ流出したとき地下に残った放射性物質が地下水に拡散したものと推定。海水中のトリチウム濃度に変動がみられないなどとして、海へは漏れ出していないと主張していました。
ところが、観測孔に近い1〜4号機取水口北側で21日に採取した海水から事故後最も高い同1100ベクレルのトリチウムが検出され、東電は海水に含まれるトリチウム濃度が上昇傾向だと認めました。
規制委の定例会合では、事務局の原子力規制庁が、汚染された地下水が海へ漏れ出した「可能性が否定できない」と説明したのに対し、更田(ふけた)豊志委員は「否定できないではなく、強く疑われる」と指摘。東電が過去の流出が原因だとしている点についても、「ほんとうにそうなのか。現在も(高濃度放射能汚染水が)漏れていないのか。予断を持たず対応すべき」だと述べました。
島崎邦彦委員長代理は、「(東電が行っている海水の分析について)潮流や潮位の変化を踏まえた調査が必要」だと強調しました。