2013年6月27日(木)
“自民と対決、抜本的対案示す党” ――日本共産党の躍進を
国会議員団総会 志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が26日の党議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。
都議選の教訓を生かし、参議院選挙躍進へ――気を引き締めてつぎのたたかいに
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国会閉会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。
まず、23日に投開票された都議会議員選挙において、日本共産党は、「現有8議席の確保、11名以上の議席を得て議案提案権を確保する」という目標を超過達成して、17議席という議席倍増を勝ち取ることができました(拍手)。この場をお借りして、ご支持いただいた都民のみなさん、奮闘いただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
いよいよ、参議院選挙となります。「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」という言葉があります。都議選の議席倍増は重要な成果でありますが、自動的にこれが参院選での躍進につながるわけではありません。参議院選挙での躍進は、都議選のたたかいから教訓をしっかり学び、それを生かして、やるべきことをやり抜いてはじめて実現いたします。そういう気持ちで、気を引き締めて、参議院選挙のたたかいに臨みたい。そして、都議選につづいて参議院選挙で躍進を必ず勝ち取る、そのたたかいの先頭に衆参の国会議員団が立つ決意をみんなで固め合いたいと思います。(拍手)
「自共対決」――この対決構図を国民に広く示し、躍進をめざそう
私は、この国会のたたかいを振り返りまして、また参議院選挙をたたかうにあたって、つぎの二つの点を強調したいと思います。
第一は、この国会で、安倍内閣の国民の利益に背く暴走に対して、あらゆる分野で正面から対決し、抜本的対案を示してたたかったのは、日本共産党だけだったということであります。すなわち、「自共対決」が際立った国会となったということです。「自共対決」は、暮らしと景気の問題、原発の問題、TPP(環太平洋連携協定)の問題、基地問題、憲法問題、そして歴史問題とあらゆる問題で鮮明となりました。
日本共産党のこうした役割は、他の主要な諸党が、安倍政権への対決の立場をもてずに、自民党の補完勢力となっていることと対比しますと、いよいよ鮮明となってきます。
たとえば民主党は、消費税の増税、社会保障の切り捨て、原発の推進、TPPの推進、(米軍普天間基地の)辺野古「移設」など、どの問題でも自分が手をつけたことを、いま自公政権が本格的にやっているわけですから、批判する立場というのがありません。対決の立場をまったくもてません。せいぜい「対決ポーズ」をとるのがやっとなわけです。
それから、「第三極」といわれる勢力も、日本維新の会の橋下(徹)共同代表が、「安倍首相がだんだん輝いてきましたね」といい、そしてああいう暴言を行う。そして、みんなの党の渡辺(喜美)代表も、「安倍政権は長期政権になる予感がする」ということを公言するなどの発言に象徴されるように、自民党の補完勢力としての姿がはっきりと示された国会となったと思います。
私たちは、参議院選挙では、“自民と対決、抜本的対案を示す”という基本姿勢で臨みたいと考えています。安倍政権の暴走に対して不安感や危機感をもっておられる方々にとって、最も頼りになる“対決者の党”としての役割を発揮する。同時に、政治の閉塞(へいそく)の打開を求める方々にとって、あらゆる分野で責任ある対案を示す“建設者の党”の役割を果たす。この両面で党の役割をしっかり果たすということを、大いに訴えていきたい。そうした「自共対決」の立場は、参院選挙のたたかいでも、いよいよ大事になってくるということを強調したいと思います。この対決構図を広い国民のなかに、さらに広く示して、参院選での躍進を必ず勝ち取ろうではありませんか。(拍手)
日本共産党と国民運動の奮闘によって、世論に前向きの多数派がつくられつつある
第二に私が強調したいのは、日本共産党と国民運動の奮闘によって、国政の重要問題で、国民世論に前向きの多数派がつくられつつあるという問題です。これはどの分野でもいえることだと思います。
たとえば「アベノミクス」をめぐるいまの国民世論の動向です。「アベノミクス」が、政府の思惑通りすすまない状況が生まれてきました。そのなかで安倍首相がもっぱらいっている言い訳というのは、「大企業が潤えば、いずれは家計に回ってくる」、「そのうち回ってきて、夕方には一杯飲むようになって、消費も活発になる」というような、破綻ずみの「トリクルダウン」を振りかざすわけです。
ところが、「朝日」の11日に発表された世論調査では、「安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びつくと思いますか」との問いに対して、「結びつく」と答えた方が36%、「そうは思わない」と答えた方が45%。ですから、漠然と安倍内閣の経済政策の評価を聞くと、評価が高いようにみえるけれども、具体的に「賃金や雇用がよくなってきますか」と問われると、「そうは思えない」という点で、国民は「アベノミクス」のまやかしとウソを見抜きつつあるというのが現状だと思うのです。
それから憲法の問題でも、改憲派は、まず96条改定を改憲の突破口に押し出す作戦をとりました。それに対して国会内外でわが党が大いに先駆的な論陣を張りました。国会でも憲法審査会で大いに論陣を張ったわけでありますけれども、「しんぶん赤旗」の日曜版に古賀誠・自民党元幹事長が登場して、「96条(改憲)大反対」ということをいい、非常に大きなインパクトを与えるなど、国会内外のいろんな論陣を張りました。その結果として、この作戦は、大誤算に陥りつつあるというのが現状だといえると思います。最近の世論調査でいいますと、「読売」の調査で51%が反対、「東京」の調査では55%が反対と、反対がはっきりと多数派にいまなってきつつあります。こうして、憲法改定の最初のたくらみが大きな誤算に陥りつつあるというのがいまの現状ですけれども、自然にそういう状況が起こったのではなくて、院内外でのわが党の奮闘と国民運動の力が作用しているということを強調したいと思うんです。
それから原発の問題も、安倍首相は「成長戦略」の目玉商品に、原発再稼働と原発輸出を据え、この道を暴走しています。世界中で輸出のトップセールスに走っているわけでありますけれども、国会論戦と国民運動の共同の力で、国民の世論は反対がはっきり多数になってきています。
最近の調査を見ますと、「朝日」の調査で再稼働に58%が反対、「産経」の調査で原発輸出に65%が反対となっています。この問題で、私たちは「即時原発ゼロ」の旗を大きく掲げてたたかうわけでありますけれども、今度の参議院選挙で、再稼働の是非、輸出の是非、これが厳しく問われると思うんですね。こういう問題で、私たちは国民的な圧倒的多数の側に立っているということに大いに自信を持ってのぞみたいと思うんです。
これまでの枠にとどまらず、広い有権者へ働きかけよう
このように私たちの国会論戦と国民運動が、そういう国民世論のなかに前向きの多数派をつくりだしつつある。そしてそういう前向きの多数派の思いを託せる党は日本共産党だということがいえると思うんです。
都議選では、だいたいいろいろな出口調査で、無党派の方の2割近くが日本共産党に投じたと、だいたい押しなべてそういう結果が出ています。これはこれまでの数に比べて、だいぶ高い数字が出始めたといえると思います。これはいまの情勢を反映しています。すなわち、私たちの目指す方向と国民多数の思いの向いている方向が、一致しているというなかでの選挙になっていると思うのです。ですから、私たちの活動もこれまでの枠にとどまらないで、これまでにない広い有権者の方々にたいして、宣伝戦でも、組織戦でも、大いに働きかけて、そして思い切って活動の幅をうんと広げて、そして躍進につなげたいというふうに考えています。
「比例を軸に」をつらぬき、ここにいる山下さん、紙さん、井上さん、3人が戻ってくることと合わせて、小池さんと仁比さんを合わせた5人全員がまた顔を合わせられるようにがんばりたいと思いますし、それから都議選の結果を受けて、議席獲得の条件が生まれてきている選挙区が出てきていると思います。そういうところでは、勝利を目指してたたかい、選挙区でも風穴を必ず開けていきたいという決意で、奮闘しましょう。今度会うときには、大勢で顔を合わせられるよう、そのために大奮闘することを誓い合いまして、閉会に当たってのごあいさつといたします。ご苦労さまでした。がんばりましょう。(拍手)